きょうの一句。

 

日本橋 南平日 北休日

 

日本橋北詰のあとは、日本橋を挟んで、南詰だ。日本橋の南側ということで、高島屋や丸善があるところだ。

日本橋川を渡っただけなのに、北詰と南詰で様相が違って見える。

北詰も、南詰も、老舗がたくさんあることに変わりはないが、街を行き交うひとびとが違う。

「三井村」の北詰は、おとな、観光客、外国人がたくさんいる。落ち着いている。「休日」の雰囲気だ。

たいして南詰は、サラリーマンがたくさん行き交っている「職域」の空気で、「平日」の感じだ。

南詰は、隣接して、「兜町」という證券の街と、「八重洲」という交通の起点に、挟まれているからかもしれない。

 

日本橋のすぐ南には日本国道路原標の碑がある。

「ここが日本の道路の起点」と定めたもので、江戸時代のはじめに徳川幕府が定め、明治政府がそれを踏襲した。

 

日本橋南詰も、北詰同様、江戸時代からつづいている老舗ばかりだ。

まず、日本国道路原標のうしろには、酒類・食品問屋の「K&K 国分」がある。

 

それから、南詰の主役ともいえる「日本橋高島屋」がある。

50年以上前までは、この高島屋のすぐ北側に、のちに東急が買収した「白木屋」という百貨店もあった。

この「白木屋」は、同じく日本橋にあった「越後屋」(現・三越)、「大丸屋」(現・大丸)と並んで、「江戸三大呉服屋」と呼ばれていたようだ。この3店は、昭和になると、そのまま三大百貨店になった。

とくに、この「白木屋」は、日本で初めてお客さま用のエレベーターや食堂を設置し、百貨店の先駆者的な存在だった。

 

このほか、海苔の「山本山」、書籍の「丸善」、和菓子の「榮太郎」など、老舗がたくさん並ぶ。