神田須田町はこの一句。

 

 

ありがとう 神田須田町 軒行灯

 

 

外神田の秋葉原から南下して神田川を渡ると内神田の神田須田町にはいる。もとは神田連雀町との町名だったようだ。

このあたりには、明治から戦後にかけて創業した老舗の料理屋がたくさんあり、いまも軒行灯(のきあんどん)を吊るして、ビルに挟まれながら、元気に営業している。それらの、ふるい建物をみると、いまも続いてくれてありがとう、と言いたくなる。

今回は、そんな神田須田町にたちどまる。

 

まずは「まつや」。池波正太郎がよく通ったという蕎麦屋だ。その靖国通りに面したふるいふるい二階建ての木造店舗とひときわ大きな軒行灯が目を引く。すべて昔ながらの製法で、蕎麦はもちろんのこと、そばがきも「看板」のようだ。

 

それから「いせ源」。東京で唯一のあんこう鍋専門店ということだが、江戸時代の天保期の創業のようだ。

 

そして「ぼたん」。鳥すき鍋の店だ。創業は明治時代のようだ。

 

さらに「竹むら」。甘味処だ。揚げ饅頭、ぜんざいが「看板」のようだ。

 

あと、これらの建物に比べると改装してあるので幾分か新しい「藪そば」。

 

それから-。これらの店のすぐ近くなのに、住所は「神田淡路町」ということになる店を2軒挙げておこう。

まず「志のだ寿司」。いなり寿司、かんぴょう巻がとくに有名。東京駅の大丸百貨店にも出店している。

もうひとつは「近江屋洋菓子店」。明治時代創業のフルーツを使ったケーキが看板の店だ。以前は本郷にも店があった。