まず「ちゃばら」の駄句一句
オタク街 不慣れジジでも 馴染むとこ
神田秋葉原でひとつの施設に注目してみる。
「デンキ」でも「オタク」でもない。
オタクに不慣れなわたしのような60代ジジでもホッとできるところ、「CHABARA(ちゃばら)」だ。JR山手線の高架下にある。かつて、秋葉原には青果市場があった。青果市場のことを「やっちゃば」というが、それと「秋葉原」という地名をかけあわせてつくった名前だそうだ。食品に限ってだが、全国各地の、こだわってつくった産物を集めて販売している。「日本百貨店」という会社の運営で、お店は、ほかにも、日本橋、東京駅、横浜赤レンガ倉庫などにある。
「たちどまる」の、サプライヤー側の基本を一言でいうと、「価値メッセージ」だ。商品そのもの、広告・パブリシティ、商札(pop)、ディスプレイ、デモンストレーション・催事、などによる、その価値を伝える技術・努力が備わってないと、ヒトは、決して「たちどまる」ことはない。この日本百貨店の店は、その商品そのものの露出、広告・パブリシティ、商札(pop)、ディスプレイ、催事が、たいへん少ないものばかりを集めて販売しているところなので、「たちどまる」ための「価値メッセージ」の見本がたくさんある。なので、「秋葉原」らしくないかもしれないが、ここにたちどまってみた。
たとえば、千葉の落花生、大分のとり皮サクサク揚げ。木籠や木箱に乗せられ、品質・つくり方、味の良さ、そして写真を、大きく掲出して、通路をゆくヒトをたちどまらせている。
静岡のお茶だと、「お茶は静岡」「お茶でホッと一息」だけの短文のメツセージと、ゆくヒトの前への大きな露出だけで、十分なようだ。
さらに、名古屋のオリエンタルカレーだと、「ハヤシもあるでよー」の懐かしい名古屋弁の広告コピーで、60代は確実にたちどまってしまう。
日本百貨店の「ちゃばら」店は、オタクの街にあって、60代も安心で居ることができる、そんな場所だ。
ちなみに、この店の横には、クラフトビールをつくって提供する店とか、懐かしい山口百恵やキャンデイーズなどのレコードシングル盤(EP盤)がたくさん品そろえされている店も並んでいる。
秋葉原は、やっぱり、もっと深く、ちょくちょく見続けていかなくては-。