本郷台地を降りて、湯島、御徒町と歩いてきたが、両町と接している不忍池にもたちどまっておく。
不忍池は上野公園の一部でもあるが、不忍池以外の「上野の山」は、後日あらためてじつくりみてみたい。
不忍池は、本郷台地からだと、東大病院の脇の、さだまさしも歌っていた「無縁坂」を、右に旧岩崎弥太郎邸を見ながらくだると、目の前に開けたように広がる。
この日は、2日後に春分の日というとき。桜の木がたくさん植えられた池の畔は、ピンク色に染まり始めていた。ひとも多い。そのきれいな光景のなかで、誰もが「たちどまる」状態になっていた。
この不忍池は、大昔は東京湾の入り江だったそうで、それが時間とともに切り離され、現在のような沼地として残り、「上野の山」とならんで、東京を代表する景勝地のひとつになっている。
わたしも、妻が不忍池のほとりの湯島仲町通りに住んでいたため、このあたりはなじみ深い。
池の真ん中には弁天様があり、そこには露店が並んでいる。上野の山側に行くと、そこも頻繁に催事がもよおされていて、このときも骨董市が開催され、おおくの人でにぎわっている。