もう定期連絡線の船が二度とつくことがない古い桟橋
みかんのかごかついで肩で息してたおばさん
自転車汗かいて押しながら乗っていた中学生
獲れたての魚いっぱいリヤカーに乗せたおばあさん
もう船は出ませんよ
あの新しい橋を渡ってください
もうあのおんぼろ船は出ませんよ
あの橋が便利ですよ
波を受けて、役割を終えた桟橋は揺れている
何もない桟橋の上を潮風が渡りすぎる
にぎやかだった人の声も今は聞こえない
いっそ沈んでしまえば楽になれるのに
大きな波を受けても揺れながら
今もぷかぷかと港に浮いている
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