田園調布という街に育まれて。気がついた事。気になった事など。
少しづつ、書いていく。
私は、29歳で整体師として独立した。
それまでは、テレビに出演したり、雑誌に掲載されたり、
ロックバンドでライブ活動をしていた売れないミュージシャンだった。
もちろんイカ天にも出たし、^^夕焼けニャンニャンの後番組、パラダイスGO GOにも出た。
よく180度違うことをやっているね と言われる事もあるが、
施術を行なうことは、ヒトと言う楽器を奏で、ヒトを感動させるという意味ではあまり変わらない。
つまり、ピアノやバイオリンを奏でることと同じなのだ。
施術も、相手と一対一で向き合いどういうリズムと旋律を伝えることができるか。つまり、相手に自分の意志を本気で伝えるという点においては、同じなのだ。
最近話題のボヘミアンラプソディを観に行ったが、
いろいろなバンドをしていると、気づくことがある。
例えばエレキギターを弾きながら歌ったり、ドラムに合わせてソロを弾いたり、足は四分音符♪を一定に刻みながらプレイすることなどはミュージシャンであれば、当たり前なのだが、
基礎ができていないプレーヤーは、四分音符を足で刻みながら演奏する事ができない。
頭と足、つまり全身が付点音符などのリズムにつられてしまい、足で四分音符を刻むことができない演奏は、
グルーブ感のない音楽そのものだ。
超一流を知りつくしている田園調布には、グルーブ感のない音楽など通用しないだろう。
プロ志向と、アマチュア志向の差は、基礎力の深さだ。
音楽を楽しむだけであれば、もちろんアマチュア志向でも素晴らしい事だが、
基礎は出来ていた方が、見苦しくない。
これはテニスや水泳などのスポーツの世界にも言える事だ。
あなたが本気で野球を学びたいとき、
「その辺の草野球のおじさんに学ぶ or イチロー選手に学ぶ」
あなたが本気でテニスを学ぶ時に、
「とりあえずテニスのできるお兄さんに学ぶ or 錦織選手に学ぶ」
答はでているはずだ。
それは、生き方そのものを学ぶことになるだろう。
私は田園テニス倶楽部で石黒修先生にテニスを指導していただいたが、やはり唸るほど勉強になった。
たやすく出来てしまうことなんて、世の中にはいくらでもある。しかし、
基礎ができていないことは、リズムのとれないミュージシャンのようで、
どんなに頑張っても、モノにならない。
ロックをやるなら、
少なくとも、ピアノとバイオリン位は弾けるようにしておきたいものだが、
モノにならない人には特徴がある。
それは、バイオリンが弾けてもロックやポップスで成功することが難しいというのではなく、
何かにチャレンジする時に、0から始められない人。
はやく出来るようになりたいと焦ってしまい、教えられた事と違う事をしてしまう人。
心構え、つまりマインドは、成功の80%を握っているが、
成功のための心構えよりも、早くテクニックなどを覚えたがる人。
でも、それは違うんじゃないの?と素直に学べない人。
致命的なのは、出来ない人同士で、これは違うよね〜 と納得してしまう事だ。
これでは成功と言う目標に向かうどころか、カーナビで目的地とは違う方向に走っているようなものである。
話を元に戻すと、
バンドは5人いなければ出来ない。
しばらくソロで頑張っていたが、とにかく食べるのに必死だった。
いつしか、私は本気で追いかけてきた夢を断ち切り、街の中を彷徨いながら、日々に流されていた。
それは人生の挫折だった。
治療の世界は自分一人で患者と向き合い、様々な可能性を見いだすことができる。
そう考え、挫折をチャンスに変えるために、
くやしさをバネに、屈辱を肥やしにしながら、がむしゃらに技術習得に勤しんだ。
こうして、
社会から完全に出遅れた26歳からの整体師への修行が始まった。
今日はこの辺で。またの機会に。







