この業界にいると、

この問題はどうしても避けて通れないものです

 整体 VS マッサージ
 

 指圧按摩マッサージ師の中には、整体=マッサージと決めつけて、

きちんと整体を目的に行っている方々に対しても無資格者撲滅運動のターゲットにしてしまっている面があります。

このやり方では整体師・カイロプラクター、無資格セラピスト撲滅運動などを行なってきた関係8団体としての活動は反発を買うだけであり、指圧按摩マッサージ集団は、まるでゲリラ活動をおこなっているような存在になってしまうでしょう。

 

按摩マッサージ指圧師がゲリラ活動を行っても、リラクゼーションや癒しマッサージはどんどん巷に溢れています。

これでは、何のための資格か分からなくなりますよね。

これまで、国はこの問題には全く関心がないようです。

 

無資格問題の100年抗争は、整体と謳いながらリラクゼーションを行うセラピストが多いために、

このような無資格者撲滅運動が起きるきっかけを与えています。

また、無資格者撲滅運動を行う按摩マッサージの側も、整体との術式の差異を分かっていない方が多いのも事実です。

 

例えば、カイロプラクティック、整体を撲滅の中心に仕立て、タイ古式マッサージ、アーユルヴェーダやエステティックで行われるマッサージやオイルマッサージ、リンパマッサージやリフレクソロジー、リラクゼーションなど、各種療法をすべて按摩マッサージ指圧の範疇に含むものだと主張する有資格者も多いです。

 

現在、再び無資格者撲滅運動が激化しようとしています。

 

 先日、林文部科学相が無資格マッサージを受けていた報道は、有資格者にとってはショッキングな出来事だったに違いないでしょう。流石に、警視庁もこの問題に対しては傾聴の姿勢をとっているようです。

 

 この問題は、「マッサージ」という言葉を使ったからという一言では片付けられない、非常に勉強不足なヨガセラピストの自業自得と言えばそれまでですが、こういった問題で現に逮捕された企業もあるので気をつけなければいけませんね^^.。;

 

 話をもとに戻しましょう。

按摩マッサージ指圧師以外の手技療法がマッサージの範疇だとするならば、その論点にはズレが生じていると私は思うのです。また、このまま野放しになるセラピスト問題に対して解決策を打ち出さず、単に無資格整体師撲滅運動と称してバッシングする事は、無知ゆえの所業でしかないと思います。

 

 この問題は「無資格マッサージ撲滅運動」としてあるべきで、「無資格整体師・カイロプラクティック撲滅運動」ではないはずです。

 

 具体的には、マッサージや指圧の手法が必然的に癒しやリラクゼーションと重なり、そこに摩擦が生じている問題を、整体やカイロプラクティックの問題とすり替えることは間違っているとしか言いようが無いのです。

 

しかし、マッサージを行っているのにもかかわらず、名前を整体やリラクゼーション、癒しなどと誤摩化してマッサージ営業を続けるセラピストやエステティシャンには注意が必要だということで、この事こそが按摩マッサージ指圧師が問題にするところではないでしょうか。

 

 

 

 さて、国も取り締まりをせず、厚生労働省も「いわゆるマッサージではない療法」をその他療術として認めているのであれば、これらの無資格問題の根本はどこにあるのでしょうか。

 

 それは、基準がない無資格な世界と、国家資格という基準がある世界との溝が、根本的な問題になっているのです。

 

 その溝は深く、全国統一「基礎医学検定」の合格率がそれを物語っています。

これは合格率が単に低いということではなく、セラピストの意識があまりにも低いということに尽きるでしょう。

 

 また、按摩指圧マッサージでは食べていけないから、洗練されたイメージのリラクゼーション業界の売り上げに対してやっかんでいるのだという声もあります。確かに政治的にも、売り上げの面でも、エステ業界やリラクゼーション業界には劣ってしまっている指圧按摩マッサージ業界は、会員から毎年会費は集めるものの、按摩指圧マッサージ師のステータスを守る事が出来ていません。これはあまりにも理不尽としか言いようがないのですが、日本国が国家資格という担保に対する保障義務を怠っているので仕方がないのです。ですので、撲滅運動よりも、国を相手に裁判でも起した方が筋が通るような気もします。

 

 

 結論から言えば、無資格問題の焦点は、基礎医学知識や臨床医学知識を各種療法を行なうセラピストはどこで学び、その事を社会にどのようにして示せますか?ということです。この基準は最低でも国家資格レベルと考えています。何故なら盲人でさえ、医学部と同じような学術を点字で何年もかけて勉強して、初めて人の体に触れさせてもらい、糧を得るのですから。

 

 このように、鍼灸師をはじめ、按摩指圧マッサージを行う側は、医師と同じような勉強を3〜4年間にわたり行っているのに対し、セラピストの知識はその辺を歩いている一般の人とそう変わらない程という結果がでています。これは本当なので怖くなります。

 

この溝は、今後問題の争点になる可能性が高いです。

 

裁判所では、専門の知識の無い者に、職業選択の自由などはあてはまらない、つまり、職業の選択以前の問題と判断することになります。

 

セラピストにとって、国内で基礎医学知識があることを示す基準は、国家資格を取得するか、全国統一「基礎医学検定」「臨床医学検定」となります。

 

国家資格を持たない施術家にとって、全国統一「基礎医学検定」「臨床医学検定」の必要性は益々高まっています。

 

日本鍼灸療術医学会

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