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家の中が一応受験に合わせて動いているので、またですが、受験のお話です。
センター試験後、しばらく試験がなかった娘、虎子は少しゆっくりして疲れも回復した様子。
先週は何校か受験する予定のうちの1校の受験がありました。
「センターほど緊張しない。ヤバイかなぁ」
と言いながら出かけていきましたが、帰って来て
「どうだった?」
と聞くと
「うん…まぁまぁかな」
「おっ!じゃ、よかったね!」
「うん!」
って感じだったのでホッとしていました。
今回は手応えがあったのかな、きっと。
しかし。
日がたつにつれて
「なんかいろいろ間違えた気がする」
「マークミスしてるかも」
「平均点が高かったらヤバい」
と。
どんどん心配が膨らんでいる様で、しょっちゅうネットでその学校の情報を見ています。
「ねぇねぇ、もう終わった事なんだからさ、次の学校の試験の方だけ見れば?」
「そーなんだけどさぁ…わかっちゃいるけどやめられない」
気持ちは分かるけどね。
「あー落ち着かない。早く発表にならないかなぁ」
大学受験は試験から発表まで結構時間があります。
虎子が経験している受験は中学受験ですが、それに比べて長く感じるのでしょう。
中学受験はすぐに結果が出ました。
次の日とか次の次の日。
学校によっては当日の所もあります。
受験のある中学の先生って毎年この日は大変だろうなぁとつい、思ってしまいます。
東京のメインの中学受験は先週でしたね。
いろいろな感情が一気に入り乱れる数日間を、この時期になると毎年思い出します。
目まぐるしかったなぁ。
試験も連日ですから、発表を見てダメでも何とか本人を次の試験に向かわせなければなりません。
逆に、受かっていそうだと思っても、発表の時間が次の試験の日であれば、そちらも一応受けなければなりません。
虎子の中学受験の時。
第1志望の合格発表は次の日の昼間、掲示発表でした。
本人の試験後の感覚は
「分からない。でも、めっちゃ、集中できた!」
という感想。
小学校3年生の時、中学受験を決めた時から唯一行きたいと言った学校です。
本人、当然結果が気になるでしょうが、上手くいかなかったときの為に次の日も違う学校の試験を受けることにしています。
発表前日の緊張と、抜かりなく違う試験に送り出さなければいけない緊張で、親もエネルギーが消耗する期間です。
お弁当を作り、朝ごはんをしっかり食べさせて、一緒に受験会場へ。
そして、普通だったら保護者控え室で試験が終わるのを待ちますが、その日は前日の発表を見るために、第1志望校に向かいます。
虎子のその発表の時、高校生の兄、虎太郎はすでに試験後の休み期間で時間が空いていました。
「ねぇ、一緒に虎子の発表見に来ない?」
前の日、虎太郎を誘ってみました。
発表を見るのは本当に緊張する瞬間で、虎太郎の受験で経験済みでしたから、分かち合う人がいた方が心強いなって気持ちもあり。
「あー?別にいーよ。ひまだし」
「えっ、ほんと?じゃ、行こう!」
「自分の時、発表の瞬間味わった事ないからな」
「うん、そーだよね!じゃ、発表時間の前に待ち合わせしよう」
私は虎子を送ってから、虎太郎は自宅から直接発表の場所に行くことにして、30分ほど前に待ち合わせをしました。
虎子の発表は校舎の中。
時間になるまで入り口が開かないらしく、虎太郎と到着した時は、すでに発表を待つ人が校舎に入るための長い列が出来ていました。
「わっ、すげー!」
虎太郎もびっくりです。
列は大きなSの字にになっているので、前の方の人の顔が見えました。
1番前は虎子の塾の先生達だ!
すごいなぁ、塾の先生は。
途中、ずっと一緒に勉強してきたお友達のお母様もひとりで並んでます。
お互いの心情が分かるので、遠くから静かにそっと頭を下げてご挨拶。
時間を待ちます。
寒いからか緊張からか、無意識に足踏み。
「ドキドキするねぇ」
「おっ!もうすぐだよ」
時間ぴったりにドアが開くと、凄い勢いで列が吸い込まれて行きます。
入ってすぐが掲示板の場所らしく、先に入った人達の歓声が聞こえ、緊張が高まります。
はぐれないように虎太郎の黒いダウンコートを後ろからつまんで、押されぎみに列を進み、校舎になだれ込むと、広くなっている廊下の壁の上の方に、沢山の数字が並んでいます。
列は崩れ、満員電車の様に人でもみくちゃ。
虎太郎のダウンを握りしめたまま必死で番号を見上げました。
何が何だか分からないうちに
「あったー!よっし!」
と虎太郎の声。
「え?あったの?どこ?どこ?」
虎太郎の指の先を見ても、興奮しているせいかなかなか見えません。
「みえない!」
「あそこだよ!」
虎太郎に言われて良く見直してやっと番号を確認。
「よかったー!」
もみくちゃの中、携帯で写真を撮って外に出ました。
あー、受かったんだ、よかった。
虎太郎と一緒にその日の試験を受けている虎子を迎えに向かいます。
「虎子、喜ぶね」
「俺はダメだったからな」
「そうだね」
「2日目の試験受けて出てきた時、待ってたお母さんの顔見た瞬間、すぐ落ちてたんだって分かったよ」
「うそ、顔に出てた?」
「めっちゃ、出てた」
そうか。
子供本人だって、前日の結果気にしながら試験受けているんだもんね。
「虎子も気にしながら出てくるだろうね」
「じゃあさ、ちょっとダメだったかもしれないような顔してようか」
虎太郎がちょっとしたドッキリを考えました。
試験を終わって出てきた虎子。
遠くで待っている兄と母の顔が見えるけれど、2人とも浮かない顔。
あ、発表落ちてたんだ、と思う虎子。
近くまできて
「結果どうだった?」
と聞かれたら。
一転してにっこり、
「合格!!いぇーい!!」
というシナリオです。
そういうイタズラを考えると、絶対に顔が笑ってしまう虎太郎は、行く間中「残念そうな顔」を練習して行きました。
私も更に複雑に
「残念だけど、それを隠そうとしている顔」
の練習。
お互いの顔を見て吹き出し合いながら虎子が試験を受けている学校に着き、いよいよ、虎子が出てくる時間。
「笑っちゃだめだよ!」
2人で残念そうな顔のお芝居です。
虎子が学校の門から出てくるのが見えました。
残念そうな無表情な顔で手を降ります。
虎子はなんだか泣いている様に見える。
あれ?ちょっとやり過ぎちゃったかな。
近くまで走ってきた虎子。
えへへ、受かってたよー、って言おうとした瞬間、
「よかったー!受かっていて」
と涙目で言う虎子。
顔を見合せる虎太郎と母。
「試験終わって携帯見たら、お父さんからお祝いのメールが入ってたの。嬉しいー!」
合格は虎太郎が父ウシオさんにはメールで報告したので、ウシオさんが虎子にメールしてしまったのです。
「なんだよー!父、つかえねぇー」
「顔の練習ムダだったね」
こそっとそんな会話を虎太郎としましたが、虎子は感激で興奮。
そんな事は気がつきません。
「あー、嬉しい!おわったよー」
虎太郎と仕組んだどっきりは失敗でしたが、虎子にとっては最高の日になりました。
あれから6年。
また、合格発表を見る時が近づいています。
第1志望にした学校、合格発表は掲示とネットと時間差であるようです。
その時母は仕事中の時間だと言うと、虎子、掲示行くならお兄ちゃんと行こうかな、と言っています。
どっちが受験生かわからなくて、部活の勧誘受けちゃうかもね、と。
いや、予備校の勧誘かも。
まだその前に試験ですけどね。
もうすぐ本番。
悔いの無いようにがんばってほしいものです。