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夫ウシオさんのお母さん、ウシオ母がお誕生日でした。

 

ウシオ父もウシオ母もお正月に誕生日が来るので、いつも

「おめでとう」

が重なってしまいますが、せめて、お誕生日らしい事を、と、毎年ケーキを買って一緒に食べに行きます。

 

「あら、まぁ、高いのに…」

 

ケーキを持っていくといつも第一声がそれ。

ウシオ母はとても喜び上手です。

 

ケーキを開けてロウソクを立てながらウシオさんが

 

「84だっけ?」

 

ウシオ母

「85になりました!」

 

そして

「びっくりするわよねぇ。人の年だと85なんてすごい年寄りと思うけど、自分が85なんて」

と。

 

よく、気持ちは若いのよ、言うのを聞きますから、それは自分の事を考えてみても、そんなもんだろう、と分かりますが。

 

ウシオ母は気持ちだけではなく、実際に現役で仕事をしていて、私と同業者。

髪の毛は染めたことがないと言うのに黒い。

白髪は混ざっているけど、全体に見ると黒いって感じですから、見かけ若い。

 

80代でも黒い髪の毛ってあるんですね。

ウシオ母のおかあさまも89才で亡くなるまで黒かったと言うので、遺伝なのですねぇ。

 

私の実家の母よりも年は上ですが、実家の母の方がずっと年上に見え、随分違うものだなぁ、といつも思います。

 

一応、健康長寿を専門にしている者としては、何がこの若さの要因かな、と思って日々見ていますが、お年を召しても若々しい人はそれなりの事を当たり前にやっているのですね。

 

ウシオ母の場合はまず、仕事をしているので生活が規則正しい。

 

「朝日を浴びましょう」

 

とあえて言わなくても、決まった時間に朝日のあたる部屋で仕事。

その前に犬、チロルの散歩。

仕事をこなし、お昼を食べて休憩。また仕事。

 

家政婦さんが下ごしらえをした夕食の材料を自分で料理をして食べ、夕食後、チロルの散歩。

 

「犬友としゃべるの」

いつもお散歩に来る、犬を飼っている人のグループができているらしく、立ち話で夜遅くなる事もしばしば。

 

夜、仕事の会合があれば出席し、会食し、お酒も飲んだりして、遅くに帰宅する時も。

 

こだわった健康食品やトレーニングがあるわけではなく、本当に普通の事を当たり前にしていると思います。

実はこれが結構難しい事なのかな。

 

腰が痛いから、とか、眠いから、とか乗り気じゃないから、とかはほとんどありません。

 

昨日と同じに今日もやり、去年と同じに今年もやり、と来ているうちに今になった様に見えます。

 

「年だからやらない」

 

ってセリフも聞いたことがないですねぇ。

 

それから、胃腸が丈夫。

 

「良く食べるねぇ」

 

ウシオさんもウシオ兄も、ウシオ母にいつもそう言います。

 

本当に良く食べるんだわ、これが。

 

時々「回転寿司」に一緒に行くのですが、

 

ウシオさん、

「何。取る?」

ウシオ母

「いか」

 

「何、取る?」

「数の子」

 

「まだ、取る?」

「あじ」

 

確実に私よりずっと数多く食べて、

 

「こういうものっていくつ食べたかわからないからいくらでも入るわねぇ、あ、イクラ!」

などと。

 

イタリアンもタイ料理も四川料理もオッケー。

 

虎子がある時、お腹が痛くて下痢したー、と話していたら

「あらー、良いわねぇ」

 

という反応をしたウシオ母。

 

虎子がむっとして、

 

「なんで、良いの?ひどい!」

 

「あらーだって、私なんて下痢したことなくて。下痢でもすれば少し痩せるのになぁ」

 

本当に胃腸、特に腸が丈夫なんですね。

 

腸内フローラなどがちょっとブームですが、腸が丈夫な事は健康で居られる大きな要因だと義母を見ていて確信します。

 

それに加えて大きいのはやっぱり、気持ち。

 

私よりもずっと柔軟だな、って思います。

こうあるべきって言うのがあまりない。

 

突発的な事でも、

 

「あら、まぁ、いいわ」

と、簡単に対応。

 

私の実家の父などは、何でも決めた通りにいかないとイヤな人でしたから、対極です。

 

先日、ウシオ母の診療室を手伝っている時に、虎太郎の保育園時代のママ友がピアスを持って私に会いに来ました。

 

「ねぇ、虎白ちゃん、ピアスの穴開けてくれない?」

 

持ってきたのは、自分でも開けられるホチキスの様になっている、初めての人用ピアスです。

 

「いいけど。自分で好きなとこに開けた方が良いんじゃない?」

「えーおねがい!怖くてあけられないの。お仕事終わるの待ってるから」

 

と言うので、仕事の合間に、歯の治療をする椅子に座らせて、ピアスを開ける事にしました。

 

「どこのへんに開ける?」

 

「えー、どうしよー」

 

手鏡を覗いてママ友と二人であれこれ相談。

 

「この辺が開けやすいけど、このギリギリ下の方もかわいいかも」

「ほんとー?どーしよーかなー」

 

きゃっきゃっと話していたら、いつの間にか、ウシオ母が目の前に立っていました。

 

「あっ!こんにちは」

 

慌てるママ友。

ウシオ母は見かけがちょっと怖めです。

 

「はい、こんにちは。( 私に )なにしてるの?」

「ピアスつけようとしてるんです」

「あら…そう。ふーん…」

 

じーっとママ友を見つめ、去っていったウシオ母。

 

「ヤバい!虎白ちゃん、お義母さま、怒っちゃったかな。お仕事中に」

「大丈夫だと思うよ」

「え、怒ってたでしょ、ごめんねー」

 

平気だよ、と言いながら、ピアスを開けて終了。

ママ友は恐縮しながら帰っていきました。

 

そして仕事が終わり、ウシオ母と片付けている時。

 

「良いわねぇ」

と、聞こえ

「ん?」

と振り返ると

 

ウシオ母、鏡に向かい自分の耳を触りながら、

「私もピアスやろうかしら?」

 

あー、これが若さの秘訣だわ。

85才でピアスを開けるか迷う人。

 

元気のお手本が近くに居ると元気がもらえます。