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受験生の娘、虎子。
先日は塾での三者面談がありました。
高校生ですし、希望者のみの実施でしたが、塾の様子を見がてら行くことにしたのです。
行ってるのはアットホームな小さな塾。
指定の時間に行き、すでに自習室で勉強していた虎子と合流。
先生の所に移動しました。
「こんにちは!」
「いつもお世話になっております」
先生は、ジミー大西さんが、もし、てきぱきおしゃべりしたらこんな感じ、って感じの方。
家では虎子と、勝手に
「ジミー」
と呼んでいます。
「虎子さんはさぁ、志望校はこれで良いよ。問題は併願校だな」
ジミーはほとんど虎子に向かってしゃべってます。
「いろいろ、お母さんには話してあるの?」
「はい、全部話してます」
「じゃ、いいね。えーっと、たとえばー」
「はい」
「資格をとることを優先するか、それとも、学部の内容を優先するかで併願がきまるよな」
「あー、そうですね。ふふっ」
なんか、あまり緊張感はない雰囲気。
虎子も先生もにこにこしながら話してます。
いつも、こんな感じなんだな、と思いながら見ていました。
「それはさぁ、虎子さんが、将来どんな事やりたいかで優先が決まるわけよ」
虎子、
「あー。へへっ」
「へへっ、じゃねーだろ!はは(苦笑)。どうしても資格が優先なのか?資格にこだわらなければ・・こんな学部とかこんな学部とかとかあるぞ」
「あー。まー、そうですね」
「どうなんだ?何がやりたいのか、強く決まってるもんとかあるのか?」
ジミーのななめ後ろの机で、こちらを向いてクールにパソコンを打っているお姉さん(先生ではなさそう。事務の方かなって感じ)は、どうやら記録をしている様子です。
私は横で聞いていて。
虎子が「あれ」をここで言うかな?と。
ちらっと虎子を眺めました。
「先生!私…」
「ん?」
あ、言いそう。
「なんだ?」
「私…基本的にぃ、主婦志望なんで。ふふっ」
「……はぁ?」
後ろでパソコン打ってたクールお姉さん、手が止まり驚きの顔。
そして私を見る。
あまりのリアクションにちょっと吹き出してしまった私。
「えっ?お前主婦志望?まじかよ」
完全に友達言葉になってるジミー。
「はい」
「えっ?いや、1回は社会に出た方がいいぞ。えっ?相手がいるとか?」
いやいや、虎子は1回も付き合った事すらありませんが…。
「いえ、居ないんですけどー、特に働きたいって事でもないんでー」
「いや、だってお前それじゃさぁ、どうすんのよ、生活がさぁ」
虎子はへらへら笑っています。
まったく。
たまりかねた私、
「先生!あんまり、まともに聞かないで下さい」
「え、いいんですか?」
「はい、やりたいことが決まってなくて言ってるんで、気にしないで下さい、すみません!」
受験校相談で主婦志望って言ったら話が進まないじゃん。
虎子と将来の話する時にはいつもそうなります。
「もしも早くに結婚して子どもができたらさぁ」
「うん」
「子育てし終わってから仕事につきたいな」
「へー。専業主婦?」
「うん、なんもしたくない」
「それはムリだ。もしそうなら主婦のプロにならないと」
「えー」
「それはそうでしょ。それに、相手が居るか分からないし」
「もし、相手が居なかったらママんとこにいる」
「やーよ、なにもしない人がいるなんて今と変わらないじゃない」
「でも、もしかしたら、研究とかやってるかもしれないなぁ」
「研究?」
「うん、ちょっと研究職、気にならなくもない」
「へー」
「でも、やっぱ、主婦かな」
「あっそ」
「で、もし働きたくなった時に復職しやすいように資格取りたいな」
って事で、資格になるわけです。
もしも、ばっかり。
それにこんな甘い考え、聞いてるだけで人をイラッとさせかねません。
でも、母の私は、実は思っています。
虎子はいつも、最初、やらない方から考えがスタートし、結果、やってるタイプ。
計画はあれこれあるけど、実際はどうしようかなぁっていう、息子、虎太郎とはどちらかと言うと反対です。
だから、きっと、なんだかんだ言って、好きになった仕事してる気がする。
人生に「もしも」はないって言うけれど、それは過去の話の場合。
未来はもしもがいっぱいです。
もしも、で、たくさん遊んでもらいたい。
そして、納得できる道が見つかれば良いな、と、願う母です。