戦前、国宝であった日本100名城の一つ、「福山城」は、愛知県刈谷市と同じ戦国最強武将「水野勝成」公で有名なお城でしたが、現在は鉄筋コンクリートの模造城で、博物館となっています。

福山市の潔いところは、ある程度再現性をもって近代の観光城として復元しているにもかかわらず、あくまでここが福山城ではなく「福山城博物館」としている所です。

 

↓福山城博物館の発行物より

そして、2022年全階フルリノベーションして、体験型の新しい博物館としてそのデザインやわかりやすい展示構成を含めて、現在のところ、日本で最高の城博物館であると言い切れます。最初はコンクリートの城とあまり期待していなかったのですが、想像以上に良かったです。

福山城は、特に大きな合戦があった場所ではないため、(関ヶ原以降に創設された為)全国的には有名なお城ではないものの、戦国時代最強でありながら、築城や城下インフラ整備で文武両道の比類なき活躍をした水野勝成公と、後の藩主で、老中首座まで務めた阿部正弘公という二将押しでとても分かりやすく展示説明をされています。(勝成公押しの方が強いですが、水野家は5代目で跡目なくいったん断絶となっていますので、当時の貴重な武具等は残っておらず、城内の歴史的展示品は、幕末まで続いた阿部氏に関わるものが多いです。)敢えて言うならば、もっと勝成公の情報を知りたかったなぁと思います。展示内容は、ほぼ知っている情報でした。恐らく、勝成公に関する事なら、文庫本等の内容も含めて、職員様より私の方が詳しいと思います(笑)。

 

場内のデザインも黒基調で非常にデザインセンスを感じます(2021年までは古いコンクリートの学校のようなほとんど印象に残らないものであっただけに)。

また、3Dでの乗馬体験や勝成公87歳で的に命中させたという鉄砲試し打ちなど子供でも楽しめる常設イベントもあります。

まずは、三方3Dの動画でおもてなし(春風亭昇太さんがナレーションを務めています)

10万石の城とは思えない壮大さです。五重天守と5棟の三重櫓,16棟の二重櫓があった当時を考えれば、

その城郭規模は全国でも10本の指に入る名城であったことがわかります。 

西国の外様大名を抑えるために、幕府の援助で築かれたのも、勝成公が城主であったからに他なりませんが、

西を向けば、42万石の広島城の浅野氏(外様大名でも、家康の3女を嫁にもらっているため、実質的には徳川家の姻族のような関係)、東は31万石の岡山城 池田家は長女の督姫が嫁いでいる(正式には姫路城主の池田輝政再婚に嫁ぐも、前嫁の長男系統:宗家が岡山城主として代々続いた)ため、督姫系の池田分家(鳥取城主)も徳川血族でありながら結果外様扱いであったようですが、池田・浅野両家とも幕府に優遇されていたので、水野家の役割としてはやはり毛利家や遠く島津家などの外様有力大名を監視する役目があったのだと思われます。

 

城内は撮影が禁じられているところが多いですので、画像は一部だけになりますが・・・最上階はOKです。

当時の城下は、新幹線で分断されています。


ちなみに、北にある福山城博物館駐車場は無料ですが、チケットなどの公式マップでは、有料の市営Pを紹介されています。市

営は1時間無料ですが、それ以上は有料となります。私たちは80分ほど滞在しましたので、無料のPで良かったと思いますが、福山城博物館=福山城ですので、福山城博物館駐車場に停めて大丈夫です。

福山市は、広島市に比べてとてもやさしい都市だと思います。


午後からは厳島神社の弥山登山を行います

→厳島の弥山登山へ