「須津谷急行電鉄」のこと | たっちゃんの鉄楽切り抜き帳

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「鉄道」を趣味の対象として、さまざまに楽しむ活動を記録するブログです。


 本日の記事タイトルを見て、あるいは上の画像「鉄道模型趣味272号(1971年2月号)」を見て、すぐに分かった方はかなりのベテランモデラーだと思う。
 「須津谷急行電鉄」の名を初めて知ったのが上記のTMSで、当時はまだ小学生だったが、この表紙写真に釘付けになってしまった。それまで見てきたレイアウトとは明らかに違うテイストをもっており、どこかに実在していそうなローカル私鉄といったムードに溢れていたからだ。
 架空の鉄道についてしっかりとした設定を行い、それをベースに製作したレイアウトで、ポイント・トゥ・ポイントと言われる、起点と終点がある線路配置になっている。レイアウトと言えばエンドレスをグルグル周回するものと思っていた概念は見事に打ち砕かれ、こういう楽しみ方もあるのかと衝撃を受けた。
 起点となる駅ビル併設のターミナル駅、中間に設定された大小のローカル駅、温泉地という設定の終着駅と、決して細密ではなかったがそれぞれの風情がよく表現されていた。電車がメインということで架線柱が設置されているのにも惹かれた。
 この表紙画像から分かる通り、レイアウトを走る車両も設定に合わせたオリジナルで、自由形と言えば入門用のショーティしか知らなかったビギナーには衝撃的だった。16番スケールで450Rの急曲線が多用されているため、主役は17~18メートル級の電車。当時のスターだった近鉄特急をイメージした特急電車をはじめ、東急旧5000系を2扉化したショーティの急行電車、そしてローカル運用には京急230形など、個性豊かな電車たちが魅力的だった。
 このTMSは乏しい小遣いをはたいて購入し、繰り返し読んだので、今でも文章を覚えているほどだ。
 レイアウトを製作した鈴木雅夫氏は、グリーンマックスの創業者。そして須津谷急行電鉄も16番からNゲージへと移行し、そのレイアウトは1980年代のGMカタログを彩った。
 話が前後するが、このNゲージレイアウトがRM-MODELS誌の345号、346号に掲載されていたため、16番時代が懐かしくなって今回の記事を書いたというわけ。
 さて、須津谷急行電鉄を名乗るレイアウトには歴史がある。初代はOゲージの庭園鉄道だった。二代目と三代目(これが上述のもの)が16番レイアウト。そして四代目がNゲージレイアウトになった。
 こうなると二代目の16番レイアウトを見てみたくなるもの。調べてみるとTMS218号(1966年8月号)に掲載されていることが分かった。ということで明日に続く。