昭和のパワーパック | たっちゃんの鉄楽切り抜き帳

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 今日から5月。ここ数日はもう初夏の暑さで、昨日は今年初の冷やし中華を食べた。これからやってくる夏の暑さが思いやられる。
 さて、昨日の記事でも話題にした改札口運転会。メンバーの平均年齢が高く模型歴も長いので、使用しているパワーパックも懐かしい製品を見かける。
 上の画像は、天賞堂が発売していたカイエダ製のパワーパック。昔のスタンダードだったレオスタット制御方式のパワーパックだ。構造はシンプルで、電源トランス、セレン整流器、レオスタット、逆転スイッチの4点がメインなので、故障することも少ない。部品さえあれば修理も容易だ。
 ただし、今のモーターは昔と比べ物にならないくらい消費電流が小さくなっているので、回路の負荷で制御する方式だとうまくコントロールが出来ない。古いモーターを使った旧製品向けと言える。

 続いては、サイリスタ制御方式のパワーパック。画像の物はスワローパックという名称でカツミから発売されていた。昭和時代には先進的な製品で、いわゆるパルス制御方式(当時は脈流制御と日本語表示だった)を使っている。低速時から高い電圧が出ているので、ライトが明るく点灯するし、スロー運転に有利といった特徴があった。
 最近のパワーパックはパルス制御が主流(特にNゲージ用は)だが格段に回路が進化している。それに比べて昔の製品はパルスの波が荒いため、現代の高性能モーター使用の車両は破損のおそれがあって使えない。試しにごく短時間のテストをしてみると、物凄いビビリ音を発する。LEDにも悪影響がありそうだし、もちろんサウンド付の車両にも使えない。
 さらに昔のパワーパックは出力容量が大きいので、ショートさせないように注意が必要だ。プラ製品だと熱で簡単に溶解してしまう。
 久しぶりに昔のパワーパックを持つと、ズッシリとした重さを再認識する。これには二つの理由がある。まずはケースが頑丈な鉄板などで出来ていること。もう一つはトランスが内蔵されていることだ。
 電気用品安全法(PSE認証)の施行後、パワーパックの電源トランスは大半がACアダプター方式に移行した。これにより、発売する製品毎にPSE認証を取得する手間を省いていると聞いたことがある。
 重いトランスがなくなったので、ケースの強度も軽い樹脂製で足りるようになった。ただ、あまりに軽量だとツマミを回しただけで本体が動いてしまうので、操作性という点ではイマイチ好きになれない。
 近年のパワーパックは電子化が進んだ結果、寿命も短くなった気がする。電子部品の世代交代が速いため、メーカーもさっさと修理対応終了にしてしまう。