ジョン・ウィリアムズの音楽コンサート2019 | たっちゃんの活動写真&西洋古典音楽切り抜き帳

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「映画館で」「自分のカネを払って」観る映画と「コンサートホールで聴いた」クラシック音楽会の、独断と偏見によるコメントを公開。

 昨年に続いて開催された、映画音楽界の巨匠ジョン・ウィリアムズの作品だけを集めて演奏するコンサートを聴いた。

この日の演奏は昨年と同じコンビ、原田慶太桜指揮の東京フィルハーモニー交響楽団。昨年の公演が素晴らしかったので、今年も期待十分。プログラムも昨年とほとんど同じで、続編というより再演という表現がピッタリくる内容。

明け方は雪がチラついていた2月11日、いつものクラシック公演とは全く違う客層がサントリーホールに参集して満員御礼。

前半は、定番のオープニング曲“ロサンゼルズ・オリンピックのファンファーレ”からスタート。“ジョーズ”“インディー・ジョーンズ(レイダース・マーチが初登場)”“ET”“ジュラシック・パーク”といった、お馴染みの名曲集。

昨年同様、原田は的確なアプローチで、東京フィルからこれぞ!ジョン・ウィリアムズというサウンドを引き出す見事な指揮ぶり。純クラシック曲とは違う映画音楽の鳴らし方を心得ている人しか出来ない劇伴音楽は、聴いていると映画の名場面が浮かんでくる。

昨年はチェロ版での演奏だった“シンドラーのリスト”は、コンマスがソロを弾いたが、音色が淡泊だったのが惜しまれる。今回も前半の締めは“ハリー・ポッター”で、サントリーホールに響くチェレスタが心にしみた。

 後半は、今回も原田自身による選曲による“スター・ウォーズ”の大特集だったが、エピソードⅧの音楽が加わった。初作の公開から早や40年以上が経過し、さまざまな曲が書かれているが、やっぱりシリーズを通じて核となっている“レイアのテーマ”や“ルークのテーマ”が好きだ。そして楽しいのが“酒場のバンド”。

大健闘した東京フィル、アンコールで、さらに“メインテーマ”をやったので、金管奏者はヘロヘロだろう。

 この日の客席は子供の姿も目立ったが、おとなしく聴いていたのに感心。さらにインフルエンザや風邪が大流行中というのに、演奏中の無神経な咳もなく、聴衆のマナーは先日のシカゴ響より良かったと思う。本当に好きな人たちが集まった結果だろうか。

今年も、日本のオケによる映画音楽コンサートとしては、最上級レベルの出来だった。