フランツ・ウェルザー=メスト指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 初日 | たっちゃんの活動写真&西洋古典音楽切り抜き帳

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「映画館で」「自分のカネを払って」観る映画と「コンサートホールで聴いた」クラシック音楽会の、独断と偏見によるコメントを公開。


 サントリーホールでのウィーン・フィル週間、室内楽に続いてオーケストラ公演がスタート。2018年の一般公演は3回が開催されている。 

 初日となった1120日。ホールに入ると、ちょっと緊張感のある独特の空気が漂っていた。演奏会通いを続けていると、すぐにVIPのご来場があることが分かる。

この日のプログラムは、モーツァルトの“歌劇「魔笛」~序曲”、同“ピアノ協奏曲第24番”、そしてブラームスの“交響曲第2番”。ウィーン・フィルならではの音世界を堪能出来る王道の曲目が並んだ。

ピアノ協奏曲のソリストはラン・ラン。追っかけファンも多い人気ピアニストで、おそらくこの日のチケット争奪戦が一番激戦だったことだろう。

残念ながら、個人的にはラン・ランは全く思い入れはなく、この人の音楽性はウィーン・フィルよりもベルリン・フィルあたりの方が相性が良いと思う。

従って、この日の聴き物は後半のブラームス。これは期待にたがわぬ名演だった。第一楽章の冒頭で弦が歌い出すあたりの美しさは、ウィーン・フィルならではの天上の響き。近年のウィーン・フィルはメンバーの若返りが著しく、長い間楽団の顔だったライナー・キュッヒルの引退もあって、アンサンブルの低下を感じることもあるのだが、さすがにブラームスは見事なものだった。

アンコールは、もちろんシュトラウス。ワルツ“南国のばら”とポルカ“テープは切られた”の二曲。