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2018年の芸術の秋もいよいよクライマックスへ突入し、二年ぶりのウィーン・フィル週間がスタート。初日を飾る11月15日のミューザ川崎シンフォニーホール公演を聴いた。
残念ながら満席にはならなかったこの日のプログラムは、ドボルザークの“序曲「謝肉祭」”、ブラームスの“ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲”、そしてワーグナーの“楽劇「ニーベルングの指輪」の第3夜「神々の黄昏」~抜粋”。
久しぶりに現れたオーストリア出身のメストが、同郷のウィーン・フィルと日本公演を行うのは初めて…と思っていたら、2010年にキャンセルになった指揮者の代替として指揮台に立っていた。
数日前にロシア・オケのゴツゴツ・ザラザラの重戦車みたいな音色(もちろん、これはこれで魅力的で大好物だ)を聴いたばかりなので、ウィーン・フィルの艶やかな黄金の音色に、ここまで違うものか…と改めて実感。同時に、技術面の向上は著しい日本のオーケストラに、こういった音色の特徴がないのも残念だ。
チェコ・フィルで聴く機会の多いドボルザークだが、ウィーン・フィルがやると軽やかな弦の躍動感が絶品だ。
続く二重協奏曲は、ブラームスらしい重厚な作品ながら、よく歌うヴァイオリンとチェロの美音にウットリ。
後半は、ワーグナー。オペラの伴奏が本業であるウィーン・フィルが本領を発揮。ピットに入る時よりも大きな編成で奏でられる、ボリューム感満点のサウントがホールの空気を揺るがすが、やはりこのホールの残響は、ウィーン・フィルを楽しむには少し物足りない。ベルリン・フィルだとちょうど良いのだが。
アンコールは、定番のシュトラウス。“シトロンの花咲くところ”と“浮気心”が華やかに演奏された。