「銀河鉄道999」シンフォニック・コンサート | たっちゃんの活動写真&西洋古典音楽切り抜き帳

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「映画館で」「自分のカネを払って」観る映画と「コンサートホールで聴いた」クラシック音楽会の、独断と偏見によるコメントを公開。


 「銀河鉄道999」のTVアニメ放送が始まったのが1978年。今年が40周年となる。映画版の劇場公開も1979年だったから、来年で40年。このメモリアルイヤーに、青木望作曲による劇中音楽を聴くコンサートが開催された。 

 「銀河鉄道999」のオーケストラ用スコアは、映画のサントラ盤と、TV版を組曲として編曲・録音した音源がある。両方とも当初はLPレコードとして発売、後にCD化されており、今でも愛聴盤の一つだ。今回のコンサートは、基本的にその譜面を演奏するもの。演奏は、矢澤定明指揮の東京フィルハーモニー交響楽団に、ボーカル(スキャット)が加わる構成。

 1030日のサントリーホール。フル編成のオーケストラに加えて、パーカッション類やエレキギターやエレキベースなどが並び、ステージ上はギッシリだ。


 前半は、映画版の音楽。公開当時すぐにLPを買い、以後何度聴いたか分からないぐらい好きなスコアだが、生で聴くのは初めて。TV版よりスケールの大きいダイナミックな曲が多いので、さすがに生は聴き応えがある。ゴダイゴの歌が入る二曲は、演奏のみに編曲されている。

 一番好きな曲が“惑星メーテル”。荘厳な美しさに満ちた破壊のメロディは、やはり圧巻だった。

 後半は、TV版の音楽で、こちらは3年前にも聴いている 。物語のナビゲーター(ナレーション)を入れての演奏だったが、これはいらないと思う。

 映画版とは全く異なる曲想だが、青木節とでも言うべき魅惑のサウンドは変わらない。

 矢澤の指揮は、テンポも含めて譜面を忠実に再現していくスタイル。あまり作品への思い入れは感じられなかったが、きっちりとしたプロの仕事だった。

残念ながら満席ではなかったが、通常のクラシック・コンサート以上に聴衆の集中度は高く、熱心なファンが参集していたようだ。

 長年のファンにとっては至福の二時間。是非、再演を望みたいもの。アンコールは、映画版第二弾「さよなら銀河鉄道999」から“再会~愛のテーマ”。