ダークタワー | たっちゃんの活動写真&西洋古典音楽切り抜き帳

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「映画館で」「自分のカネを払って」観る映画と「コンサートホールで聴いた」クラシック音楽会の、独断と偏見によるコメントを公開。

スティーヴン・キングが原作ということで、興味をもって上映館へ。

世界の秩序を維持しているという「タワー」があり、それを破壊しようとする悪と、守ろうとする善が対決するダーク・ファンタジー。

ストーリー・ラインはシンプルなので、それを味付けしているのが背景や世界観。導入部の語り口はなかなか上手く、観る者を異次元世界へと導いていく。

しかし、その後の展開は凡庸で、既視感もあって並のアクション映画という感じ。上映時間が95分とコンパクトな割には密度が薄めで、コクのない料理を食べさせられているような印象。原作を未読なので、本来の扱いが分からないが、個人的にはせっかくの「タワー」の存在をもう少し突っ込んでほしかった。

強力なパワーを持つ悪役のマシュー・マコノヒーが存在感大だが、どうもキャラを活かし切れていない感じ。ヘタレ傾向の正義の番人を演じるイドリス・エルバも暗いシーンに黒人俳優なので、画的に活きていない。おそらく、家庭でのDVD等による視聴では、さらに厳しいのではないだろうか。

ラストもあっけなく、製作中に予算をカットされたのかと疑ってしまった。

だいぶ辛口のコメントになってしまったが、B級映画が好きな人ならそれなりに楽しめそうな一本。(2018年3月鑑賞)