バロック時代のカストラートについて書いていた時に、出てきた映像。

 

 

 

いや~。

もう、あり得ないレベルの技術。感嘆を通り越して、ひたすら、茫然びっくりびっくり

 

 

初めてバルトリを聴いたのは、モーツアルトの「フィガロの結婚」。METのストリーミング配信だった。

 

3幕でのスザンナのアリアは、他のスザンナたちの歌うアリアと全くの別物といっても過言ではなかった。

 

 

スザンナのアリア、ってこんな歌だったの? 初めて聴いたビックリマーク!!、という感じだった。

 

 

彼女はあまりオペラを歌わず、コンサートが多い(らしい)が、この歌唱を聴いて納得した。つまり、彼女の技量が傑出しすぎて、彼女にふさわしいオペラがないんだ。

 

 

 

それにしても、当時のカストラートの技量のなんともなんとも凄まじいこと。

 

バルトリの超絶技巧のお陰で、私たちもその片鱗を拝ませてもらうことができる。

 

 

ただし、実際のカストラートはバルトリ以上かもしれない。

 

とにかく、彼らは、自然の人間じゃなく、人工的に作られた一種のアンドロイドなんだから。

 

子供と男と女の声を併せ持ち、音域は3オクターブ以上。

通常の男性以上の声量と、肺活量(ロングトーン1分以上)を持ち、骨格は男性だが、両性具有的な妖艶さ、官能性を持つ、いう、あり得ない、神のような存在。

 

 

実際、当時の劇場(王侯貴族、上流階級の社交場)は、ロックコンサート会場並みの興奮に包まれ、卒倒する女性が続出したそうだ。

 

「カストラート」という映画では、希代のカストラートFarinelliが、自分(=ヘンデル)が作曲した歌を歌うのを聴いて、ヘンデル自身が感嘆のあまり、卒倒している。

 

とにかく、カストラートのバロックオペラは凄すぎ。

 

 

クローバークローバークローバークローバークローバークローバークローバークローバークローバー

 

「カストラート」とは”去勢された”という意味。去勢されるのは、男性に限るから、必ず男性形になるんだけど、バルトリは女性だから、「カストラータ??」

 

 

去勢といっても、中国の宦官とは違って、睾丸のみを去勢するもの。だから性行為は可能で、カストラートたちは、恋愛を楽しむことができた。

 

歌手として成功すれば、超超高額の出演料をとり、王侯貴族並みの豪華な生活ができた。だから、貧しい庶民のなかには、一獲千金を夢見て、歌のうまい子供を去勢しようとする者がいたということだ。

 

彼らはその後、厳しいトレーニングを受けて、特に優れた者だけが、舞台に立つことができた。いずこも厳しい芸の世界。

 

 

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カストラートについての記事はこちら☟