こんにちは、つな動です。
お家の子はお元気ですか?
猫伝染性腹膜炎(FIP)の治療について情報をシェアいたします。
猫伝染性腹膜炎(以後FIP)を発症した猫さんはほぼほぼ死亡する不治の病でした。しかし近年になって治療方法が見つかり完治する猫さんも出てきました。この治療方法についてお話しいたします。
ポイント
・FIPは猫コロナウイルスが変異して発症
・変異はストレス状態の猫さんで起こりやすい
・今までは治す薬が無く不治の病
・最近になって治療方法が見つかりつつある!?
・予防はストレス対策
◯『FIPとは?』
FIPは猫コロナウイルスによって引き起こされる病気です。現在世界中に蔓延している人間の新型コロナウイルスとは遠い親戚みたいな関係です。
猫コロナウイルスは本来弱っちいウイルスで、猫さんに感染してもほとんど発症しないので、軽い風邪みたいな病気と考えてもいいでしょう。ただ感染しやすいので多頭飼いの猫さんのお家ではみんな感染してしまいます。
感染しているときに強いストレス状態にある猫さん(例えば:引越しをした、仲が悪い猫がいる、生活環境が悪い)では、コロナウイルスが変異してしまうことがあります。強毒に変異したコロナウイルスがFIPを発症させます。
FIPの症状や診断方法についてはいろんな獣医さんのサイトに書いてあるので検索してみてください。
◯ 今までの治療方法
FIPを発症した猫さんはほぼほぼ亡くなります。数ヶ月生き続けたという報告もありますが、奇跡的に助かった幸運の猫さんだったり、FIPに似た別の病気だったりします。
FIPを治すことができる治療薬は今までありませんでした。
支持療法といって辛い症状を和らげるために、ステロイドの投与がある程度効果が証明できる薬でした。これ以外で効果が証明されている薬はありません。
◯ 新しい治療方法!?
人間の新型コロナウイルス治療薬として使用されている「レムデシビル」「モルヌピラビル」が、FIPを発症した猫さんにも効果がある可能性が高いことがわかってきました。これらの薬で亡くならずに生き続けている猫さんが増えてきているようです。
ただし問題点が2つあります。
・1つ目は正規ルートで入手出来ない。
本来は人間用の薬のため、猫さん用にこれらの薬を日本で手に入れることは難しい状態にあります。海外から取り寄せることも可能ですが偽薬などトラブルのリスクがあり、安全に確実にこれらの薬を入手することが困難です。
・2つ目は投薬量、副作用がわかっていない
まだ半分実験段階の治療方法なのでちょうど良い薬の量や、投与中に起こる副作用についてなど、まだわかっていないことが多くあります。これらの薬を投薬したが亡くなってしまった猫さんが、FIPに負けてしまったのか、薬の副作用のせいなのかなど研究すべきことはまだ多く残っています。
つなしま動物病院では今の所「レムデシビル」「モルヌピラビル」を使用した治療をおこなっていません。
2つの問題点がもう少し改善し、もう少し安全に確実に治療できるようになってきたらこれらの薬を使用すると思います。
◯ 予防方法
それまでに猫さんにしてあげれることはFIP予防です。
FIPはストレス状態にある猫さんが発症しやすいので、お家でできるストレス対策をしましょう。
具体的には以下の対策を可能な範囲で試してください。
・トイレをキレイに!
猫さんはキレイ好きなので汚れが溜まっていたり、他の猫のが残っているとかなりのストレスになります。こまめに掃除しましょう。また人にとって便利な猫トイレと猫の好きなトイレは違うので「猫の好きなトイレ」で検索しましょう。
・猫さんはぼっちが好き
FIPは多頭飼育の若齢猫で発症しやすい傾向があります。猫さんは基本的に一人ぼっちが好きで、自分のテリトリー内に他の猫や他人が入ることをストレスに感じます。お家に猫さんが数頭いる場合は、可能な限り頭数分以上のトイレや寝床を用意してあげましょう。
・環境の変化を避ける
猫さんは自分のテリトリー内の様子が変わることをものすごく嫌がります。リフォームや引越し、敏感な猫さんではいつも仕事で家にいない人がずっと家にいるだけでストレスを感じます。猫さんのお気に入りの場所はなるべく手をつけないようにしましょう。
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詳しくはこちら→「病気と薬の情報」
それでは
お家の子に幸せが訪れますように。
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