残された希望 | 田淵幸一のブログ

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7月中旬 日生球場での近鉄バファローズ戦。パ・リーグ独走ライオンズの主砲 田淵さんに悲劇が起こる。ホームランレースも独走し快調に打ちまくる田淵さんの第一打席。近鉄柳田の投じた内角球が左手首を直撃。骨折しシーズン後半は絶望となった。55本のホームラン記録の更新 両リーグにまたがるホームランキング パ・リーグMVP すべての可能性があった最高のシーズンが水の泡と消えた。萎える田淵さん。しかしライオンズは勝ち続けた。ここまでの前半戦。田淵さんの放った29ホーマーのゲームの勝率は八割を越えていたのだ。要するに(田淵が打てば勝てる!)それはもはやジンクスなどという抽象的なものではなくライオンズの起爆薬。エース東尾は田淵さんを親愛を込めて(おっさん)と呼んだ。(おっさんが打てばベンチが異様に盛り上がった)と語る。田淵さんはもはやライオンズの精神的支柱。これは晩年に広岡氏も著者で語っていた。そんな田淵さんが戦線離脱。これでチームが後退すれば田淵さんが一番悲しむ!ライオンズは一丸となりパ・リーグペナントを突っ走る。何もかも消失した田淵さんに唯一残されたものがひとつだけあった。同じくセ・リーグを独走する読売巨人軍との日本シリーズだ!広岡は田淵さんに指示をだす!(シリーズに標準を合わせよ!江川 西本を玉砕せよ!)と。江川卓。言わずとしれた巨人軍のエース。しかしルーツは巨人入団のために世間を的に回したヒール的存在。同じく巨人を愛しながらタイガースに入りそのタイガースにさえ捨てられた男が燃えないはずがない!田淵幸一はただならぬ思いでリハビリに専念する。世間をくぎ付けにした日本シリーズ。秋はもうそこまで迫っていた。