美しさと食べ物。脳では同じ意味。 | 小田原「お堀端画廊歳時記」

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いよいよあと二日で日展も終わりますが、11月3日の朝日新聞の朝刊に日展理事長の中山忠彦先生と脳科学者の茂木健一郎氏の対談の記事が載っていまして、その中で茂木健一郎氏が興味あることをおっしゃっていますので紹介します。


「脳の仕組みから言うと、いくつか分かっていることがありまして。美しいと感じるときに活動する脳の領域は、生き物としてすごく大事な、食べる、飲むというような生存に必要なものを得たときに、喜んで活動する領域と全く同じなんですね。ですから、芸術を食べては生きていけないといいますが、脳の働きからすると、芸術、絵の美しさというのは、食べ物などと同じ意味を持つんですよ。」(原文のまま)


この記事を読んで、私は前からずっと、絵を描く行為は人間の持って生まれた本能ではないかと思っていましたので、やっぱりそうなのかと思いました。


絵を描くことは特別な能力ではなく誰にでも備わっているもので、だからもっと自由に、常識にとらわれず、型にはめることなく楽しめばいいと思います。


そこに評価と言う価値観が入ってくると、どうしても世界が狭まってしまいます。


評価も人様々であることからその数だけ世界が狭まり、その中だけでしか生きていけないというなんとも窮屈なことになってしまいます。


茂木健一郎氏の言葉に共感して、どんどん食べる行為と同じように絵を(絵だけとは限りませんが)描いたり観たりしましょう。