-196℃の液体窒素、コワ-
大学の頃、クライオSEMという電子顕微鏡を使っていました。
この顕微鏡では、試料(見たいもの)を、液体窒素で凍らせて観察します。
生の試料を簡単に見られるので、すごく便利です。
普通のSEMだと、3日くらいかけて試料を調整しないといけないから。
クライオSEMを使うと、イネの葉っぱの表面は、こんな感じに見えます。
細胞表面のボコボコ、気孔、とがった毛とかが見えるっすね。
ただわし、
この顕微鏡に必要な「液体窒素」を扱うのは、すごく苦手なんです(大汗)
液体窒素は、魔法瓶みたいな構造の容器に入れて持ち運びます。
私が使ってた容器は、5リットルの小さいやつで、こんな感じのです。
液体窒素は、工学部の敷地内の大きなタンクに保管されています。
なので、実験で必要になるたびに
タンクのところまで容器を持って行き、そこから小分けする必要があります。
そして、その小分けが、けっこう緊張する作業なんです。
まず皮の手袋をして、容器を下に置きます。
その容器に、液体窒素が出てくる金属のパイプを上からズボっと突っ込んでから
バルブを開けて液体窒素を出し、容器に溜めていきます。
液体窒素が必要なぶんだけたまったら、バルブを閉じて、金属パイプをもとに戻します。
ただそれだけ、簡単なもんです。
ただ、
容器の中が見えないので、液体窒素が出ている様子を見れないんです。
とにかくばしゅーって大きな音が出ているから、音でもよくわかんない。
もしバルブを開け足りないと、出てきた液体窒素がみんな気化しちゃって容器に溜まらないし
バルブを開け過ぎると、その勢いで超低温(-196℃)になった金属のパイプが
外に飛び出して暴れて、どえらいことに。
パイプを容器に固定するものは、モチロン無いです。ただ突っ込んであるだけ。
この作業を先生に教えてもらったとき、先生にこんな注意をされました。
「もし金属のパイプに手で触り、手にパイプがはりついたら
手の皮がはがれてもいいから、すぐにはがせ!」
と。
つまり、皮がはがれるほうが、手の内側まで凍ってしまうよりはマシだ、ということです。
メチャメチャこわいっす!
そして、
液体窒素がどれくらい出ているかがわからないのと同様に、
液体窒素が容器の中にどれくらいたまったかも、やっぱり分からないんすよね。
入れ終わって、パイプを容器から外に出してもとの位置に戻し、
容器を手で持ってチャプチャプ振らないと分からない。
あまり入っていなくてやり直し、ということも多かったですヽ(;´ω`)ノ
さらに雨の日
は、また違う問題が起こります。
液体窒素を移しかえる作業をしていると、まわりの空気が冷やされるので
水蒸気が水滴になります。
つまり、霧か靄かが発生するんです。局所的に。
なので、液体窒素を移しかえているところの周りは、半径5mくらい真っ白モクモクになります。
外から見ていると、マジックとかやってるみたいでなかなかにオモロイのですが
自分がソレをやっていると、手元もあまり見えなくて困るっす。
怖がって慎重にやったおかげで、大きな事故を起すことはなかったのですが
アレはもう二度とやりたくないっす(*´Д`)=з
