セミおじさん | ひなたぼっこ主義

セミおじさん

ずっと昔の、暑い夏の日。たぶん8月頃。

私は、大学に行くために、駅のホームにいました。


そのとき、突然、どこからかセミアブラゼミが飛んできて

ホームの鉄骨にゴツン!と激しくぶつかり、そのままポトリと落ちてしまいました。

セミはかなりのダメージを負ったらしく、まったく動かなくなってしまいました。

あー、かわいそうに(´・ω・`)


しばらくして、電車が到着。

並んでいた客は、スーツ姿のおじさんから順に電車に乗り込んでいきました。

離れて待っていた私も、いちばん最後に乗車。


そのとき、ふと気付いたのですが

あの落ちていたセミアブラゼミ

なぜか、スーツのおじさんのズボンのふくらはぎあたりにいるんです!

おおっ?(  ゚ ▽ ゚ ;)

息を吹き返したセミは、手近にあったもの=おじさんの足にのぼったらしい。


おじさんは、足にしがみついたセミに気付かないまま電車に乗り込み、椅子に座りました。

電車に乗っている間、セミがどうなっているのかは、私の位置からはまったく見えなくて。


しばらくして、電車は名古屋駅に到着。

多くの乗客とともに、おじさんも電車を降りました。

そして私も。

見ると、あのセミアブラゼミは、まだおじさんのふくらはぎのあたりにくっついています。

電車の中で落ちたり踏まれたりはしなかったらしいです。

よかった(´∀`)


おじさんは、そのまま改札を出て、駅構内をスタスタ歩いていきました。

すると、

それまでずっとじっとしていたセミが、突然、活動を再開しました!

何を思ったか、おじさんのズボンを上へ上へと上り始めたんです!


上り続けたセミは、いつのまにか、おじさんの腰のあたりまできていました。

おじさんは、普通に軽く手を振りながら歩いているので

セミは、今にも手ではたき落とされそうです!

危うしセミ!Σ(・ω・ノ)ノ!


そのとき、

近くを歩いていた通りすがりのおばちゃんが、おじさんに何か声をかけました。

びっくりしたように上体をひねり、自分の腰のあたりを見るおじさん。

おじさん、ついに旅の道連れのセミアブラゼミを発見!ヘ(゚∀゚*)ノ


おじさんは、セミを手でつまみ、ズボンから引き放しました。

そして、セミを片手に持ったまま、何事もなかったかのように再び歩き始めました。

そのまま駅の外へ。


私としては、

おじさんは、外に出たところでセミを放すだろうと思ったんです。
自分なら、きっとそうするから。

しかし、

おじさんは、セミを手に持ったまま、地下街へと入っていってしまいました。

あれれれれ?(?_?)


そしておじさんは、私が行こうとしている大学方面とは違う方向へと向かいました。

なので私も、おじさんの行くほうへ。


...ということも考えたのですが、

どこまで行くか分からないし、変にあやしまれても困るので、

そこで追跡を断念しました(^^;


あのセミアブラゼミはどうなったのか、今でもちょっと気になります。

少なくとも、あのおじさんがセミ好きだったのは間違いないようです≧(´▽`)≦