体内に潜む他者、マイクロキメリズム
日経サイエンス(Scientific American日本語版)という雑誌の2008年5月号に
「あなたの身体に潜む他者」という題名で
マイクロキメリズムの話が載っていました。
マイクロキメリズムというのは、体内に他者の細胞が少し混ざっている状態で
珍しい現象ではなく、ごく普通に起こっているそうです。
この他者細胞の移行は、妊娠中に起こりやすいらしく
母親→胎児への細胞の移行は「母系マイクロキメリズム」、
胎児→母親への細胞の移行は「胎児マイクロキメリズム」というそうです。
そして移行した細胞は、出産後は減るものの、何十年も留まることもあるそうです。
強皮症で亡くなった女性での研究によれば、細胞100万個あたり
母親由来の細胞は、リンパ節では190個、肺では760個
胎児由来の細胞は、リンパ節では105個、肺では3750個
存在していたそうです。
妊娠を経験した女性というのは、少なくとも
自分自身と、自分の母親と、自分が妊娠した子ども(子どもの数だけ)と
自分の兄や姉の細胞を持っている可能性があるそうです。
とゆーことは、我が体内には、少なくとも7人分の細胞があるということに。
うむむ。
マイクロキメリズムには、いい面と、悪い面とがあるそうです。
悪い面は、
自分の免疫が、体内にある他者の細胞を攻撃することで
あるいは逆に、他者の細胞が、自分の細胞を攻撃することで
自己免疫疾患を起すことがあるそうです。
新生児ループス症候群とか、強皮症とか、他にもいろいろと。
いい面は、
他者の細胞が、自分の細胞を修復してくれたり
1型糖尿病である自分の細胞のかわりにインスリンを作ってくれたり
他者細胞を免疫が攻撃しなくなることを利用して、臓器移植をしやすくなったり
ということがあるそうです。
自分の中で他者の細胞が生きているってのは不思議っすね。
こちらのサイト↓に、記事の紹介が少しだけ載っています。
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0805/200805_068.html