偏差値を60にする生物教諭
理科離れ、という言葉を聞いて思い出したのは、高校の生物の先生。
私が高校3年のとき、理系が選べる理科の科目は
化学は必須で、あとは生物と物理のいずれかでした。
私が選んだのは、生物。
深く考えた結果ではなく、単に面白そうだったから。
理系は3クラスあったのですが、
生物を選択したのは、たった半クラスくらいの人数です。
しかし、少数精鋭で
全国模試での偏差値は、いつも平均して60くらいありました。
私自身、記述式の模試で全国1位をとってしまい
偏差値が90を超えてしまったことも。
しかし世界史の偏差値は30代後半でした(大汗)
理系全員の生物の成績がやたらよかったのは、
きっと、教えてくれた先生のおかげです。
その先生の授業では、とにかく余分な話が多かったです。
教科書に書いてあることを説明するだけでは飽き足らず、
頻繁に生物図解を使い、入試に出ないよーなことを
あれこれ説明したりしました。
たとえば、葉緑体の分子構造(ポルフィリン環)とか。
おかげで、いつも授業時間を延長してしまい
授業を終えて教室に戻ってきた物理の人を
しばらく外に待たせたりしていました。困ったモンです。
さらにその先生、とにかく生き物が好きで
県の教育センターから、いろんな生き物をもらってきました。
お腹に口がありエサを食べる姿がこわい、プラナリア。
点々にしか見えない、ゾウリムシ。
身体が黒くてお腹が赤い、イモリ。
水槽いっぱいの厚紙マンションに住む、フタホシコオロギ。
実験で使われるような、白いマウス。
エサやりが難しいゾウリムシを除き、
それぞれに飼育係が決められました。まるで小学生のように。
イモリの飼育係の男の子は、かなり愛着を持ったらしく
4匹のイモリに
「ニッケル、コークス、コバルト、ウラン」と名付けていました。
背が高く頭ツンツンの学生服のイケメン(←主観)男の子が
「ほーらウラン、ゴハンだぞ」
と語りかける姿は、なんともほほえましかったっす。
あるとき、高校の植え込みにスズメバチの巣があることが分かり
業者さんに撤去してもらったのですが、
生物の先生は、その巣を譲ってもらっていました。
でかくて丸い、いかにもスズメバチの巣という感じの巣を
机の上にいくつか並べて、にんまりしていました。
アルコール漬けにした大量のスズメバチも一緒に。
この学校では、高3になると
週に1時間、好きな授業が選べることになっていまして
(この制度、今はもう無いらしいです。残念!)
理系で生物の人は、ほとんどが生物を選びました。
その生物の授業がまた独特で、
毎週毎週、何かヘンな実験をやるんです。
自分の血液型を調べる実験では、
自分の指、爪のすぐ上あたりの皮膚に
自分自身で注射針を刺す必要があり
(先生が生徒を刺すと医療行為になってしまいNGだが
自分で刺すならOKらしい)
なかなかに勇気が要ったっす。
軽くツンツンしているだけでは、血は出てこないんすよね。
思い切って、ブスッと刺さないと。
どうしても刺せない人は、保健の先生に刺してもらって
「やったー、血が出た!」と大喜びしていました(T▽T;)
そして、その後しばらく血が止まらなかったらしい。
ほお内側の粘膜細胞をプレパラートにとり、
染色液で染色して、顕微鏡で観察する実験もしました。
女性は、不活性化されたX染色体のバールが見える
と教えられ、顕微鏡で自分の細胞を見て
「へーっ!」と思いました。
トノサマガエルを脊髄ガエルにして反射をみる実験では、
脳を含む頭部切り離すために
口のところを、水平にチョキチョキしないといけないのですが
私には、どうしても、どうしてもできませんでした。
氷で冷やして麻酔をかけたとはいえ、
カエルをハサミで切り殺すなんて、どうしてもできないい(;´Д`)ノ
まして、下半分だけになった可哀相なカエルさんの
背骨を針で突き崩すなんて(涙)
この実験が、私がなんとなーく希望していた動物行動学の道を
すっっぱり諦めるきっかけになりました。
とはいえ、こぼれたカエルの血を見て
赤血球の核を顕微鏡で確かめたい、という衝動が。
脊髄ガエルの実験(生々しいのでおすすめはしません)
http://homepage3.nifty.com/ymorita/omnis8.htm
キューネ発酵管を使っての、酵母の発酵実験では
発酵で出てきた二酸化炭素の量を測定するのですが、
先生が「栓をしっかりしろよ」と注意したにもかかわらず
すべての班で、中身があふれてしまいました。
どろりとした茶色い液体が、ぶつぶつアワを出しながら
机の上にずんずん広がり、さらに溢れ続けるので
慌てて教科書やらノートやらを避難させる始末。
いやあ、どの実験も大変だけど、楽しかったっすヘ(゚∀゚*)ノ
あとその先生、
日本野鳥の会に所属して通販でモノ買っていたり、
干潟の観察会とかに生物部員を「水増し」して参加させたり。
なんともオチャメで困った先生です。
それにしても、
みんながこういう先生に教えてもらえれば、
きっと、理科離れなんてなくなるでしょうねえ。
生物って、理科ってなんてエキサイティング。
あ、あと余談ですが、
その先生が大学入試の推薦状を書くと、必ず受かると評判でした。
人の心をつかむ文章を書くのがうまいんでせうね。
私は一般入試のほうで受験したために
その恩恵にあずかることはできませんでした。
ちなみにこの先生、
以前の記事で書いた、私が怒られた先生と同一人物です。
http://ameblo.jp/tabokko/entry-10056186606.html