今日の夕刊フジには驚いた。「メイド 珍 実態」という見出しは、先日メイドが襲われたことで一躍有名になった秋葉原の店「エアー萌えっと」のヨイショ記事だ。そもそも秋葉原でもキャバクラ&デートクラブという実態から異端児扱いの“半風俗店”をなぜそんなに嬉々として取り上げるのか?事件直後だというのに、メディアはその店をさんざんヨイショし、店も取材をあっさり受けるというのは、一体何が裏にあるのか?と勘ぐってしまう。
例の店は秋葉原でも異端であり、境界線ギリギリの“半風俗店”として、秋葉原をよく知る人たちにも相手にされていないお店。場所も風俗系ショップひしめく裏ゾーンにあり、いわゆる秋葉原で隆盛を誇るメイド喫茶とは違う。このあたりの細かい話は昨日さんざん書いたので、ここでは繰り返さないが、当初の報道を検証して深く掘り下げる話でも出るかと思えば、今度はこの店をひたすらヨイショする記事が出るとは驚き。
その記事というのも怪しいことこの上ない。秋葉原でもたいして話題にもなっていないのに「サービスがなかなかユニークと注目を浴びている。」「オタクのみならず、若者や会社員の間で大賑わい」と褒め、「界隈では断トツの人気を誇っていた」とも。はて?界隈とはどこを指すのデスか?(笑)。その店は裏ゾーン的なニュー秋葉原センター2Fという特殊な場所にあるのに、いかにも秋葉原の人気店と思わせるような表現をつかうのは、秋葉原を知る人間としてはまさしく噴飯ものだ。そして、笑えるのはこの先。店長は「若手芸人や歌手、韓国人俳優、プロ野球選手やJリーガーもご来店」と自慢し、メイドは「安田大サーカスのクロちゃんを接客」「政治関係者や教育者が来た」と発言、果ては「アラブの王族やAV男優まで来店した」と豪語。アラブの王族まで出る当たりは、あまりに怪しすぎで、もはや単なる風俗三面記事だ(笑)。
ネットでの反応も、事件報道当初は「メイドさんを守るにはどうしたらいいか」と盛り上がっていたのが、ショップ名がわかった時点で一転して冷めた反応。それまでさんざん自警団結成だの言っていたネットコミュニティもぱたりと動きが止まってしまったほど。
だいたい、自分の女性従業員が刃物突きつけられて襲われたことになっているのに、店側も良くこんなヨイショ記事に協力したもんだ。本当に流行っているなら、こんな事件後に野次馬客を呼び込む必要もなかろう。ほかに女性を守る体制を整えるとかやることがあるはず。秋葉原に詳しい人こそ避けていたお店の名前が、これで一気に知られたわけで、事件は結果として店の絶大なプロモーション効果を呼び起こした。TVも新聞も大騒ぎして、実は全て店のプロモーションのためのヤラセだった、なんてオチがつかないことを願うばかりだ。
メディアも、もう「秋葉原」というキーワードでなんでも乗っかって、たいして調べもせずに面白おかしく「流行っている」と報じるのはもうやめないかね。今回の件も、この店の問題点(業態、営業方法、安全管理)を指摘すべき点もたくさんあったはずだが、それはすっかり無視。まったくお気楽なもんである。
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