自分がなぜ食器、とくに洋食器好きになったのかと考えてみると、

その前に、喫茶店と紅茶、に興味を持ったことがきっかけだと思います。


新潟では、部活と受験勉強に明け暮れ、入る飲食店といっても、

せいぜいロッテリアやマクドナルドといったファーストフード。

ドトールもまだ無かったように思います。


上京して、大学の友人に連れられて、喫茶店に行くようになりました。

当時は、カフェというよりは「喫茶店」。

ちょっと薄暗く、静かに落ちついた雰囲気の店が多かったように思います。

そこでコーヒーや紅茶を飲みながら、長々と話をしたものでした。


とくに気にいっていたのは、目黒区駒場にあった、

「カフェ・アンサンブル」という名曲喫茶です。

グランドピアノ、深い色の木製のテーブルと椅子。

クラシック音楽が流れていて、曲をリクエストすることもできました。

大きなスピーカーの近くには、チェロと、

パブロ・カザルスの写真が飾ってあった記憶があります。


これまで、どこか遠いところにあるものとして、漠然と憧れていた、

西洋文化が、身近な憧れの対象となったのだと思います。


そこでよく注文していたのが、ロイヤル・ミルクティー。

アールグレイをミルクで煮出した、香りのよいミルクティーでした。


紅茶に興味を持ちだしたのもその頃です。

上京するまでは、紅茶の種類と言えば、

レモンティーとミルクティー。

ちなみに、

キリン午後の紅茶ストレートの発売が、1986年。

レモンティーとミルクティーの発売は、1988-1989年だったそうです。

ちょうど上京する前後、

紅茶が身近になりはじめた時期だったのかもしれません。


さて、東京で紅茶の種類の多さに驚きました。

ダージリン、ウヴァ、アッサム、ディンブラ、キーマンなどなど。

これら種類を覚えて注文することが、

憧れの文化に一歩近づくような気がしていたものです。


初めて目を奪われた洋食器は、ティーカップでした。

どこかの「カフェ・ラ・ミル」で出された、ウェッジウッド

フロレンティーン・ターコイズのピオニーです。


まだ、ウェッジウッドという名前もよく知らず、

シリーズに名前がついていることも知りませんでした。

はじめまして。

洋食器にまつわる思いを綴ってみようと、ブログをはじめました。


洋食器が好きで、最近はフランスのアンティークを中心に、アンティーク屋さんに見に行ったり買ったりしています。


私は、高校卒業までを、だいたい新潟で過ごしました。

家は、普通のサラリーマン家庭でした。

両親が、西洋の文化に親しみを持っていて、映画や音楽、海外ドラマなどに好んで接する家だったと思います。

気がつくと私も、どこにあるかもわからない、見知らぬ西洋の文化に、憧れをいだくようになっていました。

音楽や小説も、西洋のものを好むようになっていました。


とはいえ、住んでいるのは地方都市。

両親も実際にアメリカやヨーロッパに行ったことはなく、西洋の文化は、やはり遥かかなた、手の届かないところにあるものでした。


そんなわが家で、「西洋」を感じさせてくれたものが、ノリタケのこのコーヒーカップでした。



食器好きの男のブログ-ノリタケのコーヒーカップ

いつもは、茶碗に日本茶を入れて飲んだり、ガラスのコップで麦茶を飲むのが普通でしたが、

ときどき、インスタントコーヒーを、このカップで飲むことがありました。


食器棚から取り出されたこのカップとソーサーは、地方の社宅に、

少しだけ、しかし確かに、西洋の雰囲気を醸し出してくれました。


このあざやかな白と、コーヒーの色のコントラストがなかなかに美しかった記憶があります。


先日、実家に帰省したときに、食器棚にこのカップがあるのを見つけました。

私は現在アラフォーなので、少なくとも30年以上前から実家の食器棚にいることになります。


裏をみてみると、ノリタケ社の「プリマデューラ」というシリーズのようです。

ちょっとレトロな感じですが、今見ても飽きのこないデザインだなと思います。



食器好きの男のブログ-カップのうら

今の実家は日本家屋ですが、ずいぶんと西洋文化を感じさせるものが増えています。

それでも、久しぶりに取り出したこのコーヒーカップは、私にとって、やっぱり特別なものでした。


大学で上京し、東京でさまざまな西洋の文化に触れ、実際にヨーロッパにも行くことになります。

そして気づくと、西洋文化のうち、特に洋食器に魅せられて、見たり買ったりするようになりました。

その原点は、このコーヒーカップだと思うのです。

ここから始まる洋食器との付き合いを、ゆっくりたどってみようと思います。