こんばんは。


今日ご紹介するのは、カフェオレ・ボウルです。




食器に心癒されて-ボウル黄色


アンティークの陶磁器、銀器との出会いは、
「食器」という日常生活で使う道具にも、
絵画などの美術品に通じるような、
上質なもの、デザインの良いものがあることを
知ることになりました。


もちろん、それらの多くは、質やデザインにおいて、
自分の日常生活にとっては、まだまだ「非日常」なものです。

それでも、生活の中に登場したそれらの「非日常」が、
私自身の生活意識を少しずつ変えはじめ、
また、それら非日常の道具の中からも、
シルバーのスプーンを中心に、
日常生活の一員に参加してくれるものも、
ちょっとずつ現れてきました。


このように、上質な「非日常」が、
すこーしずつ「日常」に浸透してくるにつれ、
普段すでに使っている道具にも意識が向くようになってきます。


見直すアイテムとして選ばれたのが、「ご飯茶わん」。
当時使っていたものは、一体、いつどこで、
どんなつもりで買ったのか、記憶がありません。
それほど意識を向けずに使っていたとは…。


考えてみれば、一生のうちに使うご飯茶わんの数は、
それほど多くないでしょう。
しかも毎日使うもの。
だとしたら、「お気に入り」を使いたい。
お気に入りを使う楽しさは、ジアンのマグカップで経験済みでした。
11/28



「これだ」というご飯茶わんを求めて、
百貨店や陶磁器屋さん、骨董屋さんをいろいろ見て回りましたが、
なかなか「ぐっとくるもの」が見つかりません。


あるとき、和食器にとらわれず探してみようと思い、
思い浮かんだのが「カフェオレ・ボウル」。
形も大きさも、ご飯茶わんとして申し分ない。


インターネットで知った、
自由が丘にある、
フランス・ヴィンテージ雑貨のお店
ミュー mieux →
に行ってみたところ、気にいったものが見つかりました。



食器に心癒されて-ボウル茶


内側の色もなかなかよいです。

釉薬にひびが入っていい感じになっています。




食器に心癒されて-ボウル茶上から




食器に心癒されて-ボウルピンク裏


カフェオレ・ボウルも、

ファンが多いアイテムだということを知りました。

本も出ています。


カフェオレボウル/山本 ゆりこ
¥1,575
Amazon.co.jp

アンティークやヴィンテージの世界、本当に広い…

高級陶磁器の
洗練された芸術的デザインと
手間暇かけた仕上がりは、
もちろんすばらしいけれども、
はっと息をのんだり、身が引き締まるもの。


これらのカフェオレ・ボウル、
ほっと力が抜けて、思わず表情が緩んでしまうような
あたたかさとやさしさがあると思います。
日常使いにふさわしいと思いました。


窯印の写真。


食器に心癒されて-ボウル茶裏



食器に心癒されて-ボウル黄色裏


肩ひじ張らない、何気ない異国の生活スタイルへと
想いを馳せることは楽しく、
ほんわかしたデザインに、どこか懐かしさも感じます。


ご飯を食べたり、お茶を飲んだりするときは、
ほっと力が抜けて、思わず表情が緩むような時間にしたい。
そんな時間を演出する食器が欲しい。
カフェオレ・ボウルをご飯茶わんにする案、
なかなか名案に思えました。


ところが…
実際に使い始めてみると、

やはりお米との組み合わせに違和感が…。

結局カフェオレ・ボウル、
紅茶やスープを飲んだり、

ちょっとした小物を入れたりして、
活躍しています。


「お気に入り」のご飯茶わんは、

引き続き楽しく探し中です。

こんばんは。


今週は銀のスプーンをいくつかご紹介します。


陶磁器や銀器、グラスの世界を知るまでは、
西洋の美術に触れる機会といえば、
美術展で飾られている絵画を、
離れたところから眺めるだけでした。


「アールヌーヴォー」という言葉。
たしか1995年頃、
ザ・ミュージアムで「ミュシャ展」を見たときに、
出会ったのかもしれません。


写実的でありながら、デザイン的な
ミュシャのポスターは、
とても魅力的でした。

以下は本の表紙に使われているミュシャの絵。

アール・ヌーボーの世界―モダン・アートの源泉 (中公文庫)/海野 弘
¥940
Amazon.co.jp

とはいえ、「アールヌーヴォー」という言葉、
その後特に意識することもなく、数年が経ちます。


陶磁器や銀器の世界にはまってから、
「アールヌーヴォー」に再び魅せられます。
これは1900年頃のフランスのスプーン。



食器に心癒されて-スプーン4本


アールヌーヴォー L'Art Nouveau とは、
19世紀末、フランスを中心に、
ヨーロッパ各国、アメリカ、ロシアなどに広がった
芸術様式です。

植物や鳥、波、など、自然の形態に触発された、
優美な曲線がデザインの特徴です。


これらのスプーンは、草花のデザイン。


食器に心癒されて-シクラメンアップ


曲線と、空間の使い方が美しいです。


食器に心癒されて-LCすみれ



食器に心癒されて-LCすみれアップ


これらのスプーン、
絵画のように、
少し離れたところから
かしこまって眺めるのではなく、
実際に、美術・芸術を手のひらで感じさせてくれます。
もちろん使うこともできます。



食器に心癒されて-RLすみれ




食器に心癒されて-RDすみれアップ


芸術品と自分が、よそよそしい関係ではなく、
自分の生活(人生)を形づくる道具の一つとして、
とても身近なものになってくれます。


そもそも、アールヌーヴォーの起源の一つ、
英国のウィリアム・モリス(1834-1896)、
ジョン・ラスキン(1819-1900)に代表される、
「アーツ・アンド・クラフツ運動」
が目指したのは、
「生活の中に芸術を、美を」
でした。


ミュシャのポスターも、美術展から外へ出て、
街を飾ったのですよね。


たった一本の小さなスプーンであっても、
うっとりするような芸術・美を、

日常生活にもたらしてくれます。

この4本、一本10,000~15,000円くらい。
もちろん高いものですが、
(ステンレスなら1,000円しません!)
生活にもたらされたものは、大きいと思います。

こんにちは。


今週も、食器について気ままに書いてみたいと思います。

今週ご紹介するのは、グラスです。



食器に心癒されて-ブルゴイユ2


ルネ・ラリックRené Lalique(1860-1945)デザインの
「ブルゴイユBourgueil」というシリーズ。
リキュール・グラスでしょうか。
高さ7.5cmと小さめです。


現在も、ラリック社で製作され、販売されていますが、
これは発表当時、1930年頃のものだそうです。


陶磁器、銀器と、食器の世界に一歩ずつ踏み込んでいましたが、
ガラスは別にいいかな、と思っていました。
壊れそうで、扱いに気を使いそうなので。


このグラス、よく見に行く銀座ファイブの「グリシーヌ」さんに
ディスプレイされていました。

どちらかというと、柔らかいデザインが好みなのですが、
このシャープなデザインが目にとまりました。



食器に心癒されて-ブルゴイユシュテム2


とはいえ、ちょっと興味がひかれた程度で、
一応、軽い気持ちで見せていただきました。
「グリシーヌ」さんはラリック専門店ですから、
ご主人のご説明は丁寧でわかりやすい。


「ちょっと見てください」と、
ご主人が水を注ぎ入れました。

「あ。」、と思わず驚きました。


空の状態の内側に。


食器に心癒されて-ブルゴイユ空内側




食器に心癒されて-ブルゴイユ水


水をこれくらい入れると。



食器に心癒されて-ブルゴイユ反映真上


内側に、デザインが映って広がります。

視線の動きに合わせて、映ったデザインも揺れます。


食器に心癒されて-ブルゴイユ反映斜め


万華鏡のようにきれいでした。


デザインの反映は、実際に「もの」があるわけではないので、
言ってみれば幻影です。
そしてそれが、見る自分の視線の動きに合わせて揺れる。

食器と水と自分とが、その場に創りだす、
その場だけの世界。

これは驚きました。


ご主人いわく、

「飲み物が注ぎ込まれたとき、
使い手が見たとき、
使い手が動かしたとき、
飲み物を飲むとき、
そこまでを視野にいれたデザインです。」

うーん、すごい。
グラスにこんな楽しみがあるとは・・・

購入してしまいました。

ガラスの世界にも参入です・・・


このラリックのブルゴイユ、
現在製作されているものよりも、
古い方が、ガラスの風合いが好みです。


冷酒グラスとして使われる方も多いそうです。
私はアルコールがダメなので、
これでお酒を飲めないのですが。