アニ・トレ! -98ページ目

TPP参加反対!!②

 はい。前回の続きです。
 前回は農業に関することを中心に書きましたが、今日はそれ以外のことです。

2 影響は医療、保険、公共事業などあらゆる分野に及ぶ
(1)アメリカの戦略
 米通商代表部(USTR)が作成した「2011年外国貿易隔壁報告」を見ると、食品の関税、医療、血液製剤、保険、公共事業など50項目にわたって規制緩和の要求が列挙されています。
 つまり、アメリカはTPPというかたちで、自国のルールを「自由貿易圏のルール」に仕立て上げ、自由貿易圏に参加する他の国へ押しつけようとしているのです

 多国間協定では、すでにアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国で結ばれた「北米自由貿易協定(NAFTA)」がありますが、アメリカの多国籍企業がメキシコに進出。アメリカ製品がメキシコへ大量に流入したため、国内産業を圧迫しているそうです。
 また、お隣の韓国では、二国間協定として「米韓FTA(自由貿易協定)」を結んでいますが、ISD条項(あとで少し触れます)によって混乱を招いているそうです。
 様々な協定を結んでいるように見えますが、そこには「アメリカのルールを貿易相手国に飲み込ませ、支配しようとする戦略」が貫かれています。

 これまでも日本は、二国間の貿易交渉で様々な規制緩和を押しつけられましたが、TPPはこれを一気に拡大するものであり、米国の貿易拡大、企業と雇用の海外進出が狙われていることを忘れてはなりません。

(2)農業以外の分野はどうなる?
 では、TPPが導入されるとどんな影響があるでしょうか?
 TPPは農業だけでなく、24の作業部会で議論されます。
 その分野は以下のとおり。
1 首席交渉官協議            2 物品市場アクセス(工業)
3 物品市場アクセス(繊維・衣料品)  4 物品市場アクセス(農業)
5 原産地規則               6 貿易円滑化
7 SPS(衛生植物検疫)          8 TBT(貿易の技術的障害)
9 貿易救済(セーフガード等)      10 政府調達
11 知的財産                12 競争政策
13 越境サービス貿易           14 商用関係者の移動
15 金融サービス              16 電気通信サービス
17 電子商取引               18 投資
19 環境                   20 労働
21 制度的事項               22 紛争解決
23 協力                   24 分野横断的事項
(首相官邸ホームページで公開されている「TPP協定交渉の分野別状況 (平成23年10月)」を基に記載しています)

 9月に行われた日米首脳会談では、オバマ大統領から様々な要求が出されました。
 その一例を挙げますと・・・
 ・BSE(牛海綿状脳症)対策としてアメリカ産牛肉の輸入を制限していることの緩和
 ・輸入食品・農産物の検査や残留農薬・食品添加物の規制緩和
 ・遺伝子組み換え食品表示の義務規制緩和
 ・民間医療保険や医薬品に対する市場開放
 ・政府と地方自治体の物品購入・公共事業に国際競争入札を義務付ける
 ・協同組合の共済制度を外資系保険会社と同じ「規制と競争」下に置く
 ・ホワイトカラーエグゼンプションの導入や労働者派遣法の規制緩和   ・・・etc.

 こうした背景を考えれば、TPPが農業以外の分野でどのような影響をもたらすのか、自ずと見えてくるのです。

 例えば、医療について。アメリカの民間医療保険会社、医薬品企業などにとって、日本の国民皆保険制度や公的医療保険制度は邪魔なんです。
 そこで、求められているものの一つが「混合診療」制度。
 現在は禁止されているんですが、簡単に言いますと保険対象の診療と保険対象外の診療を同時に行えるというもの。
 保険対象外の診療は、病院で言う「差額ベッド代」のように自由に価格設定ができますし、保険対象外の薬も(全額自費で)出せるようになりますから、アメリカの企業が参入しやすいんですね。
 しかし、これが実現すると、医療保険が承認していない診療や投薬を受ける機会が増え、医療の安全性が崩れる、同じ症状を持つ患者でも金次第で受診内容が異なるなどの問題点があり、まさに「生きるも死ぬも金次第」の社会になることが考えられます
 また、「血液製剤」の表示義務がなくなります。日本は「献血」によって製造されていますが、アメリカでは「売血」で製造されているため、感染症などの危険性が危惧されています。

  検疫については、輸入農作物の検査の緩和や残留農薬の規制緩和などが求められています。
 大豆を例にとりましょう。
 現在、日本では輸入大豆に対する残留農薬を312種類検査しています。
 一方、アメリカは114種類しか検査していません。
 なぜこんなに大きな差があるのか?
 それは、アメリカが農業大国で、農作物の輸入先がごく一部に限られるため、それほど検査しなくてよいのです。
 ところが、日本は農作物を多くの国から輸入してますので、これだけ多くの検査が必要になるのです。
 また、除草剤の「ジカンバ」を例にとると、日本の残留農薬規制は「0.05ppm以下」なのに対し、アメリカは「10ppm以下」と上限が甘い。
 更に、日本では遺伝子組み換え食品を使った場合、表示義務がありますが、アメリカでは非表示です。
 よく、日本の豆腐などに「遺伝子組み換え大豆は使用していません。」という表示がありますよね。「使っていないこと」は、日本でも表示しなくてよいのですが、この表示をした方が消費者に安心して買ってもらえるため、食品業者が自主的に表示しているのです。
 ところが、アメリカは「遺伝子組み換え食品は安全」という立場を取っているため、遺伝子組み換えに対する表示義務はもちろんのこと、食品業者が自主的に表示している「使用していません」の表示までやめろと圧力をかけてきているのです。
 BSE(牛海綿状脳症)対策としてアメリカ産牛肉の輸入を制限していることについては、アジア太平洋経済協力会議(APEC)で野田総理がオバマ大統領に対し、規制緩和することを言及しました。
 国内の議論すら不十分なのに、こんな約束を総理独断で行うなど言語道断!まさにアメリカに対する先付けのお土産ですよ!ヾ(。`Д´。)ノ
 BSE牛肉、中国の毒入り餃子、カビの生えた輸入米など、「食の安全」がますます問われている今日、アメリカの尺度で規制緩和を押しつけられることが許されてよいのでしょうか!

 金融サービスでは、共済が保険会社と同じルール、監督官庁のもとに置かれようとしています
 「共済」には、JA共済や生協共済のように助け合い事業を非営利で運用するもの。
 また医師や商工団体などが営業・生活を守るために運営する自主共済もあります。
 しかし、2005年4月に保険業法が改悪され、全ての共済事業が保険業として規制されることになり、多くの共済が解散せざるを得なくなりました(この改悪も、長年にわたるアメリカ政府と保険業界からの要求がもとになっています)。
 JA共済や生協共済などは当面適用除外とされていますが、米国通商代表部が作成した「2011年外国貿易障壁報告書」には、「共済は、金融庁による監督下に置かれることを含め、(民間と)同じ規制水準・監督に服するべきだ」としており、TPPに加盟すれば、こうした共済もアメリカの保険会社の利益のために力ずくで非営利事業の見直し(または組織自体の解散)を迫られるのです。

 また、TPPに基づいてアメリカの多国籍企業や金融機関が様々な分野に参入してきます。
 その際には、外資系企業を国内企業と同様に取り扱わなければならない「内国民待遇」が求められます
 例えば公共事業
 地方自治体による物品購入や工事発注は、基本的に地元業者優先で行われます。
 しかし、米国通商代表部が作成した「2011年外国貿易障壁報告書」では、アメリカの企業が日本の公共事業に関与できたのは1%未満であることを抗議し、高速道路の整備・都市開発・公共建築物の建設など、公共事業へアメリカ企業を参入させるよう求めています。
 これまで地元企業優先で行ってきた公共事業は、国際競争入札にかけられるのです。
 更に、雇用問題
 「ただ働き残業」が合法化されるホワイトカラーエグゼンプションの導入や派遣労働者の拡大など労働法制を緩和しようとしています
 これは、アメリカと同様のルールを日本に敷くことで、アメリカの労働者を日本へ送り込もうとしているからです。
 労働法制改悪や更なる日本人失業者の増加など、日本の全ての労働者に対して「毒」になる政策が、今押しつけられようとしているのです。

 付け加えるなら、アメリカ資本や労働者が大量に流入した場合、日本の経済に大きな混乱を招くことは必至です。
 日本経団連は、TPP推進の立場を取っていますが、利益を得るのはほんの一部の多国籍企業だけ。自分たちの首を絞めることになることがなぜ分からないのか。財界のバカさ加減に、あきれてものが言えません。

(3)同じ土俵に上がった者へ振り下ろされる隠された爪「ISD条項」
 TPP推進派の方の中には、「韓国の米韓FTA(自由貿易協定)に日本は乗り遅れるな」と主張されている方もいらっしゃいます。
 しかし、TPPの加盟国は、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、ペルー、ベトナム、マレーシア、シンガポール、ブルネイだけであり、日本を入れてもたったの10カ国。
 今後大きな経済成長が見込まれている中国、韓国、インド、タイ、インドネシアは含まれていません。
 繰り返しますが、TPPの真の目的は、アメリカのルールを自由貿易圏のルールにして、相手国に乗り込もうとするもの。例えるなら、アメリカのセールスマンが、畳の上に土足で上がってきて押し売りを始めるようなものです。
 「TPPに加われば韓国に打ち勝つことができる」という考え方は、全く的外れな話。
 わざわざ同じ土俵に上がる・・・いや、わざわざ「まな板」の上に自分から上がる必要はないのです。

 で、お隣の韓国の話です。冒頭で触れましたが、韓国では米韓FTAのISD条項で混乱が生じています。
 これは、北米自由貿易協定(NAFTA)にも盛り込まれている条項なんですが、簡単に言いますと「多国籍企業や資本家が、投資先の国の政策で『不利益を受けた』と判断した場合、その国を国際調整機関に訴えることができる」という制度です。
 ISD条項に基づき、アメリカの企業がカナダやメキシコを訴えた事例がすでにあります。
 そして、米韓FTAを締結した韓国でも、アメリカの企業がこの制度を使って韓国政府を訴える事例が生じており、現在大きな混乱を招いているそうです。
 NAFTAや米韓FTAで盛り込まれてきたことを考えれば、アメリカがTPPに盛り込もうとすることは火を見るより明らかですが、日本政府や日本のマスコミは、我々国民に対してISD条項をほとんど説明していません。
 恐ろしい「爪」が、国民には隠されたままになっている
のです。

(4)TPPに例外なし
 こうした懸念材料を、「交渉の中で例外規定を設ければよい」とか「多国間交渉だからアメリカも好き勝手はできない」と主張される方もいらっしゃいますが、まず無理でしょうね。

 アメリカのカーク通商代表は、「アメリカが懸念を示してきた農業、サービス、製造業での貿易障壁をめぐる問題に対処する必要がある」と言及し、日本に対して関税撤廃の例外品目を認めないことを示唆しました。
 更に、APEC閣僚会合後の会見で、日本との事前協議の議題に①アメリカ産牛肉の輸入制限撤廃、②自動車の市場開放、③日本郵政の優遇措置見直しの3つを取り上げることを表明。
 そして、野田総理はオバマ大統領に対し、BSE(牛海綿状脳症)対策として行っているアメリカ産牛肉の輸入制限について緩和することに言明しました。
 すでに、アメリカ言いなりの日本政府の姿勢があからさまになってるじゃないですか!

 また、野田総理とオバマ大統領の首脳会談について、アメリカ側は「野田首相が全ての物品、サービスを貿易自由化交渉のテーブルに乗せる」と発言したと発表しました。
 それに対し、日本の外務省は否定しましたが、アメリカ側は発表を訂正しないと主張しています。
 なぜこのようになるのか。
 一つは、野田総理が「玉虫色」の回答をしているからです。
 自民党が政権を執っていた時代と同じ!他の国の方は「玉虫色」の回答なんて理解できませんよ!
 ここは、日本人の一番悪いクセ!「曖昧」な表現でごまかすような回答しかできない輩には、日本の政治家として外交を任せるわけにはいきません!
 もう一つは、2010年11月の閣僚会議で、「包括的経済連携に関する基本方針」を決定し、全ての品目が自由化交渉の対象になることを認めているからです。
 外国から見れば、一旦日本政府が公式決定した方針であり、その方針を撤回していない以上、野田総理も同じ立場だと考えるでしょう。
 それを、受け取り方の違いだとか、これからの交渉でどうとでもなると楽観視するなら、甘ったれにもほどがありますね。
 外交こそ「弱肉強食」ですよ。YES/NOをはっきり言えなければ、全て飲み込まれることを自覚すべきです!
 
 TPP交渉に参加した9カ国は11月12日に首脳会談を開きましたが、この場に日本の野田総理は参加させてもらえませんでした。
 そして、オバマ大統領は、「首脳間で大枠について合意した」ことを発表しました。
 「その気になれば、日本が曖昧な立場を取っているうちに、現在加盟している9カ国で日本に不利なルールを先に作っちゃうよ」と言われているように思えてなりません。
 言い換えるならば、「日本の国益を守るための交渉なんぞに、耳を貸さない」って言われたようなもんです。

 「自由貿易」と言えば耳障りがいいけれど、結局は財界が経済取引できる範囲を拡げようとするもの。そして、自国のルールを自由貿易圏の共通ルールに仕立て上げれば、当然その国の経済取引が有利になるわけだから、特例など設けず、全品目について自由化するのがオチ。
 交渉もまた「弱肉強食」であり、弱者の「国益を守る」交渉が競争社会で通用すると思ったら大間違いなのです。

 ・・・やっぱり、長いな。
 え~、ここまで書きますと、もう少し書きたいことがありまして・・・
 次回、TPPに引っかけまして、根本的なことの自分の考え方を書かせていただきます。
 
 追加。
  外需中心から内需中心へ転換を(予定)

 ここまでお読み下さった方がいらっしゃいましたら、またまたありがとうございます。
 お疲れ様でございました^^
 

TPP参加反対!!①

 11月11日に野田総理が参加表明をした「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)」


 まず、最初に断言します!


 TPP参加に断固反対!

 野田総理は発言を撤回せよ!


 僕がTPPに反対する理由は大きく2つあります。
1 日本の農業は壊滅的な打撃を受ける
2 影響は医療、保険、公共事業などあらゆる分野に及ぶ

 では、順番に。


1 日本の農業は壊滅的な打撃を受ける
(1)強い農業って何ですか?
 TPPを推進する人の中には、「TPPに参加することで、日本の農業は国際競争力に打ち勝つ強い農業に生まれ変わる」とおっしゃる方がおられますね。
 そんな主張をされる方に、僕はお尋ねします。
 競争力に強い農業って、一体どんな農業ですか?
 アメリカやオーストラリアのように、広大な農地で大型機械を使って大量生産する農業ですか?
 そして、手間を省くため、人工肥料や農薬を大量に使用する農業ですか?
 それとも、所得の低い方は度外視して、手間暇かけて作った付加価値のある食材を高い値段で売りさばく農業ですか?


 「競争することで力が強くなる」と主張される方、「競争」を美徳と考えている方がいらっしゃいますが、それは大きな間違いです。
 「競争」とは「弱肉強食」。弱いものは淘汰されていくんですよ。
 現に、日本の林業はどうですか?外国から安い木材が大量に輸入されている中、日本の林業は闘えていますか?
 今や、担い手すら確保できず、ほとんど壊滅状態じゃないですか!
 「競争」を良しとする方は、この林業の現状を「何の問題もない」と考えているんですね?


 現在の基幹的農業従事者を年齢階層別で見た場合、75歳以上の階層が最も多くて27.8%。これを65歳以上で区切れば59.1%に上ります。
 さぁ、この現状で、日本の農家は自由競争に闘えますか?

 安く買いたたかれる農作物。農業だけでは生活できないから兼業せざるを得ない状況がある。その現状に目を向けず、「兼業農家は所得が高い」などとふざけた主張をする輩もいる。
 「きつい」「汚い」「かっこ悪い」「臭い」「稼げない」「結婚できない」の「6K」と言われてきた日本の農業。

 僕はそれに「後継者不足」を加えた「7K」だと思いますが、そんなふうに虐げてきたのは日本政府、財界、そして安さばかりを追求してきた消費者の責任でしょう。
 僕は、TTPを推進する人に、「だったら、農業に従事してから言え!」と言いたいですな。


 また、米に関して、輸入米に対抗するため国産米の値段を下げ、農家に差額分の補助金を出すことも議論に上っていますが、それおかしいでしょ。
 一方で「競争」を謳いながら、なぜ税金を使って「保護」なんです?
 推進派の論理で言うなら、それこそ「強い農業」はできないんじゃないですか?
 僕から言わせれば、つじつま合わせの小手先論にしか見えません。


 「付加価値のある食品を作れば、高値で売れる」という主張もありますが、日本の農家全てがそれを実現するのは不可能です。
 買い手も同じ。外食産業や加工品メーカーは、一円でも安い食材を選んで仕入れてる。
 主婦だって、一円でも安い食材をスーパーや市場で買い求めているんですよ。


 「高級食材は海外へ輸出できる」と主張する方には一言言っておきたい。

 それだって海外の高所得者向けであり、庶民向けの輸出じゃないから数多く出せない。

 TPPですから、輸出先でも「競争」がある。はじめは売れたとしても、次第に高級志向が頭打ちになるのは目に見えています。
 まぁ、自国民を見捨てた高級志向の農業が、海外で大受けするとは思えませんけどね。(笑)


 これまでの農業を改善する必要があることは僕も同感です。
 しかし、それはTPPの受け入れとは全く別次元の問題。「競争」とは相容れない問題です。

 農業の後継者を育てる教育。農業従事者の労働条件の改善、品種改良による異常気象に強い作物の生産、ほ場整備の推進、農作物の安定供給の方策、減反政策の廃止など、やることはたくさんあるはずです。

 僕が考える「強い農業」とは、「国民の食料を全て国内生産できる農業」。
 TPPに参加して、とりわけアメリカから安い農作物を受け入れている場合じゃないのです!
 本当に「強い農業」とは何か。TPPに賛成する人は、それが何かを具体的におっしゃっていただきたいですな。


(2)一戸あたり20~30ヘクタールに集約するのは不可能
 政府は、日本の1戸あたりの耕作面積を20~30ヘクタールに大規模化する方針を出しました。
 確かにそうすれば、今より値段の安い食料が生産できるかもしれませんね、アメリカやオーストラリアなら。

 しかし、日本には地平線まで田畑が続くような平地がほとんどありません。
 山林、河川、ため池、水路と起伏に富んだ国土。中山間地の農地は、耕作地全体の約4割にのぼるそうです。
 また、農地の中に道路(里道)や電柱などのライフラインが張り巡らされ、家屋、大型店舗が点在する現状の農村では、田畑を大規模化して大型の機械で作業することは物理的に不可能です。


 次に、統計で見ましょう。日本の農家1戸あたりの耕地面積を平均すると約2ヘクタールです。
 それに対して、アメリカでは約187ヘクタール、オーストラリアでは3,068ヘクタールです。
 どうですか?政府が言う20~30ヘクタールの大規模化を実施したとしても、とうてい太刀打ちできる広さではありません。


 でも、ちょっと待ってください!

 「うちの周りで2ヘクタールもある田畑なんかどこにもないぞ!」と思われた方がたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか?

 実はこれ、統計上のまやかしなんです。
 その理由は、①データに「北海道の経営耕作面積」が含まれていること、②「平均値」は正規分布(左右対称の釣り鐘状の曲線を描くような分布)のときに有効な統計値であること、です。


 具体的に言いましょう。

 僕が住む神戸市内の経営耕地面積は、平成21年で約5,219ヘクタール。農家世帯数は6,234戸ですから、1戸あたりの平均面積は0.84ヘクタールしかありません。
 これを20ヘクタールに集約するとなれば、神戸市内全ての耕地面積をたった261戸で営むことになります


 これは、北海道を除く全国の都府県で見た統計でも同じことが言えます。平成23年の経営耕地面積規模別農家数別にみると、もっとも戸数が多い規模は「1ヘクタール未満」の848千戸で、全体の55.9%を占めています

 日本の農業を経営耕地規模別農家数別でグラフに表した場合、もっとも高い山は最下層に来ますから、「平均値」を出すことに意味がないのです。
 こうしたデータを統計で見る場合は、「平均値」ではなく、「最頻値」や「中央値」で見る必要があるのです。

 どうですか?最頻値で見た場合、日本の1戸あたりの経営耕作面積は1ヘクタール未満。それを、政府が言うように、20~30ヘクタールに集約するなら、現状の20倍以上に広げなければならないんですよ。


 こうした現状を、政府は誰も説明しないし、TPP推進派の人々(国民も含む)は、政府の言うことを鵜呑みにしてる(又は真実を隠している)。

 僕から言わせれば、バカじゃないの?!カチップレートと!


 更に付け加えるなら、集約することで大勢の農業従事者が失業する。
 法人経営化することも考えられているようですが、その仕組みをTPPが批准する数年間で完成させるのは不可能でしょう。
 「20~30ヘクタールに集約する」なんて話は「机上の空論」です。


(3)つぶれた農業は簡単に再生しない
 農林水産省は、TPPに参加すると農業が壊滅してGDP(国内総生産)が7.9兆円減で1.6%減少することを推計しています。
 一方、経済産業省は、日本がTPPに参加せず,韓国が中国と経済連携協定を結んだ場合、自動車生産などを中心にGDPが10.5兆円減ると主張しています。
 僕から言わせれば、目先(短期間)のGDPがどうとか、どちらが儲かるという論議自体がナンセンスです。


 国連人口基金(UNFPA)の推計で、平成23年10月31日に世界人口が70億人に達したことが発表されたのは記憶に新しいところです。
 日本の人口は今後減少の一途をたどりますが、世界人口は2050年に93億人、2100年までに100億人を突破すると見込まれています
 現在もアフリカなどで食糧不足が問題となっていますが、今後は地球温暖化による異常気象も重なり、食糧不足がいっそう深刻化すると考えられます。
 日本は温帯地域に位置し、食料生産に適した気候です。この国で、工業生産の儲けのために食料生産を犠牲にすることは、自殺行為と言わざるを得ません。


 「総合食料自給率」が39%(22年度概算)まで落ち込んでる…と言う話は、カロリーベースで計算していることを問題視する一面があるので突っ込みませんが、品目別自給率を見れば、100%なのは主食用の米だけ。小麦は9%、大豆は6%(いずれも22年度概算)など、どの品目も年々減少傾向にあります。


 工業用地や宅地への転用などにより、全国の農地が減少し続けているのは紛れもない事実。これらを再び田畑に戻すことはできないのです。


 農業を営んでいる親類からこんな話を聞きました。昔は、田畑の畔なども使い、大豆などを植えて作っていたそうです。

 しかし、今はそんなことしない。なぜなら、作っても少量しかとれず、安い輸入大豆に押されて商品として流通にのらないからと。


 繰り返しますが、「競争」とは「弱肉強食」の世界。日本の農業経営を改善する必要性は僕も同感しますが、それをやらないまま輸入自由化すれば、改善はおろか破綻するでしょう。
 そして、つぶれてからでは、もう遅いのです。


 まずやるべきは、弱体化した日本の農業を立て直すこと。輸入自由化はその次です!


 いっそのこと、徴兵制ならぬ「徴制」でも制度化して、国民全員が農業に一度は従事することを義務化しますかw

言っておきますが、僕は都市部に住む一般事務職員ですから。農業従事者が自己弁護する意味で勝手を言ってるわけではありませんので、念のため)


 「日本の農業は大丈夫」と主張される人に言わせていただきます。
 そうおっしゃるなら、なぜ大丈夫だと思うのか、抽象論ではなく、具体的な話で説明してもらえませんか?
 これまでテレビや新聞で主張されている内容を見る限り、僕には全く理解できないというか、反対派に論破されているようにしか見えません。
(そういえば、某テレビ番組は、TPP反対派の論議に太刀打ちできず、推進派だけ出演させて放送したと聞きましたねぇ。(笑))


 …いかん、こんなに長くなっちまった。ここで一区切りあせる
 …あと1項目、もっと絞らないと汗


 ここまでお読みくださった方はいらっしゃるのかな?
 いらっしゃったら、ありがとうございます。
 こういう問題で自分の言いたいことを文書にするのはなかなか難しいです。
 続き、明日UPできるかどうか分かりませんが、またよろしければお付き合いくださいませ。

TPP参加表明。許さん!!ヾ(▼ヘ▼;)

 本日野田総理が参加表明したTPP


 僕は断固反対!!


 いろいろ書きたいことはありますが、今は頭に血が上り、非常に憤りを感じているので、「●ピーー●」とか「●ドッカーン●」とか暴言を繰り返しそうなので、落ち着いてから書きたいことを書きます。


 でも、反対だ!ってことを書かないと気が済まなかったので。


 本日、首相官邸のホームページに、抗議文を送りました。

 これから毎日抗議文を送ってやろうかという気持ちです!(-_-メ