士師記11章1節~12章15節 | 聖書日課 デボーションノート

聖書日課 デボーションノート

聖書日課に従って、日々聖書を読んで思わされたことを書き留めています。


聖書本文は日本聖書協会発行の新共同訳聖書を引用しています。

士師記11:1 ギレアドの人エフタは、勇者であった。彼は遊女の子で、父親はギレアドである。
11:2 ギレアドの妻も男の子を産んだ。その妻の産んだ子供たちは成長すると、エフタに、「あなたは、よその女の産んだ子だから、わたしたちの父の家にはあなたが受け継ぐものはない」と言って、彼を追い出した。
11:3 エフタは兄弟たちから逃れて、トブの地に、身を落ち着けた。そのエフタのもとにはならず者が集まり、彼と行動を共にするようになった。
11:4 しばらくしてアンモンの人々が、イスラエルに戦争を仕掛けてきた。
11:5 アンモンの人々が戦争を仕掛けてきたとき、ギレアドの長老たちはエフタをトブの地から連れ戻そうと、やって来た。
11:6 彼らはエフタに言った。「帰って来てください。わたしたちの指揮官になっていただければ、わたしたちもアンモンの人々と戦えます。」
11:7 エフタはギレアドの長老たちに言った。「あなたたちはわたしをのけ者にし、父の家から追い出したではありませんか。困ったことになったからと言って、今ごろなぜわたしのところに来るのですか。」
11:8 ギレアドの長老たちは、エフタに言った。「だからこそ今、あなたのところに戻って来たのです。わたしたちと共に来て、アンモン人と戦ってくださるなら、あなたにわたしたちギレアド全住民の、頭になっていただきます。」
11:9 エフタは、ギレアドの長老たちに言った。「あなたたちがわたしを連れ帰り、わたしがアンモン人と戦い、主が彼らをわたしに渡してくださるなら、このわたしがあなたたちの頭になるというのですね。」
11:10 ギレアドの長老たちは、エフタに言った。「主がわたしたちの一問一答の証人です。わたしたちは必ずあなたのお言葉どおりにいたします」と答えた。
11:11 エフタはギレアドの長老たちと同行した。民は彼を自分たちの頭とし、指揮官として立てた。エフタは、ミツパで主の御前に出て自分が言った言葉をことごとく繰り返した。
11:12 エフタは、アンモンの王に使者を送って言わせた。「あなたはわたしと何のかかわりがあって、わたしの国に戦いを仕掛けようと向かって来るのか。」
11:13 アンモンの王はエフタの使者に答えた。「イスラエルがエジプトから上って来たとき、アルノンからヤボク、ヨルダンまでのわが国土を奪ったからだ。今、それを平和に返還せよ。」
11:14 エフタは再びアンモンの王に使者を送って、
11:15 言わせた。「エフタはこう言う。イスラエルはモアブの地もアンモンの地も奪いはしなかった。
11:16 イスラエルはエジプトから上って来たとき、荒れ野を通って葦の海まで来て、更にカデシュにたどりついた。
11:17 そこからエドムの王に使者を送り、『あなたの国を通らせていただきたい』と頼んだが、エドムの王は聞き入れず、モアブの王にも使者を送ったが、この王も同意せず、イスラエルはカデシュにとどまったままであった。
11:18 イスラエルはやがて荒れ野を進み、エドムとモアブの地を迂回し、モアブの地の東側に出て、アルノンの向こう側に宿営した。アルノンがモアブの境界であったから、モアブの領土は侵さなかった。
11:19 イスラエルは、ヘシュボンに君臨するアモリ人の王シホンに使者を送った。『あなたの国を通ってわたしの目指すところまで行かせてください』とイスラエルは頼んだが、
11:20 シホンはイスラエルを信用せず、領土内を通らせないだけでなく、すべての民を結集してヤハツに陣を敷き、イスラエルに戦いを仕掛けてきた。
11:21 しかしイスラエルの神、主が、シホンとそのすべての民をイスラエルの手にお渡しになったので、イスラエルは彼らを撃ち破り、アモリ人が住んでいたこのすべての地方を占領した。
11:22 こうしてイスラエルは、アルノンからヤボクまで、荒れ野からヨルダンまでのアモリ人の全領土を占領した。
11:23 イスラエルの神、主が御自分の民イスラエルの前からアモリ人を追い払われたのに、あなたはそのイスラエルを追い払おうとしている。
11:24 あなたは、あなたの神ケモシュが得させてくれた所を得、わたしたちは、わたしたちの神、主が与えてくださった所をすべて得たのではなかったか。
11:25 あなたはモアブの王ツィポルの子バラクをしのごうとするのか。彼はイスラエルと争ったり、戦火を交えたりしただろうか。
11:26 イスラエルはヘシュボンとその周辺の村落、アロエルとその周辺の村落およびアルノン流域のすべての町々に三百年にもわたって住んできたが、なぜ、あなたたちはこの間にそれを取り戻さなかったのか。
11:27 わたしはあなたに何も間違ったことをしていない。あなたこそ戦いを仕掛けて、わたしに不当なことをしている。審判者である主が、今日、イスラエルの人々とアンモンの人々の間を裁いてくださるように。」
11:28 しかし、アンモン人の王は、エフタが送ったこの言葉を聞こうとはしなかった。
11:29 主の霊がエフタに臨んだ。彼はギレアドとマナセを通り、更にギレアドのミツパを通り、ギレアドのミツパからアンモン人に向かって兵を進めた。
11:30 エフタは主に誓いを立てて言った。「もしあなたがアンモン人をわたしの手に渡してくださるなら、
11:31 わたしがアンモンとの戦いから無事に帰るとき、わたしの家の戸口からわたしを迎えに出て来る者を主のものといたします。わたしはその者を、焼き尽くす献げ物といたします。」
11:32 こうしてエフタは進んで行き、アンモン人と戦った。主は彼らをエフタの手にお渡しになった。
11:33 彼はアロエルからミニトに至るまでの二十の町とアベル・ケラミムに至るまでのアンモン人を徹底的に撃ったので、アンモン人はイスラエルの人々に屈服した。
11:34 エフタがミツパにある自分の家に帰ったとき、自分の娘が鼓を打ち鳴らし、踊りながら迎えに出て来た。彼女は一人娘で、彼にはほかに息子も娘もいなかった。
11:35 彼はその娘を見ると、衣を引き裂いて言った。「ああ、わたしの娘よ。お前がわたしを打ちのめし、お前がわたしを苦しめる者になるとは。わたしは主の御前で口を開いてしまった。取り返しがつかない。」
11:36 彼女は言った。「父上。あなたは主の御前で口を開かれました。どうか、わたしを、その口でおっしゃったとおりにしてください。主はあなたに、あなたの敵アンモン人に対して復讐させてくださったのですから。」
11:37 彼女は更に言った。「わたしにこうさせていただきたいのです。二か月の間、わたしを自由にしてください。わたしは友達と共に出かけて山々をさまよい、わたしが処女のままであることを泣き悲しみたいのです。」
11:38 彼は「行くがよい」と言って、娘を二か月の間去らせた。彼女は友達と共に出かけ、山々で、処女のままであることを泣き悲しんだ。
11:39 二か月が過ぎ、彼女が父のもとに帰って来ると、エフタは立てた誓いどおりに娘をささげた。彼女は男を知ることがなかったので、イスラエルに次のようなしきたりができた。
11:40 来る年も来る年も、年に四日間、イスラエルの娘たちは、ギレアドの人エフタの娘の死を悼んで家を出るのである。
12:1 エフライム人が勢ぞろいして、ツァフォンに赴き、エフタに言った。「アンモン人との戦いに出向いたとき、なぜあなたは、わたしたちに同行を呼びかけなかったのか。あなたの家をあなたもろとも焼き払ってやる。」
12:2 エフタは彼らに言った。「わたしとわたしの民がアンモン人と激しく争っていたとき、あなたたちに助けを求めたが、敵の手からわたしを救ってくれなかった。
12:3 あなたたちが救ってくれることはないと思い、わたしは命がけでアンモン人に向かって行った。主は、わたしの手に彼らを渡してくださった。どうして今日になってわたしに向かって攻め上り、戦おうとするのか。」
12:4 エフタはそこでギレアドの人をすべて集めて、エフライムと戦い、ギレアドの人はエフライムを撃ち破った。エフライムが、「あなたたちはエフライムを逃げ出した者。ギレアドはエフライムの中、マナセの中にいるはずだ」と言ったからである。
12:5 ギレアドはまた、エフライムへのヨルダンの渡し場を手中に収めた。エフライムを逃げ出した者が、「渡らせてほしい」と言って来ると、ギレアド人は、「あなたはエフライム人か」と尋ね、「そうではない」と答えると、
12:6 「ではシイボレトと言ってみよ」と言い、その人が正しく発音できず、「シボレト」と言うと、直ちに捕らえ、そのヨルダンの渡し場で亡き者にした。そのときエフライム人四万二千人が倒された。
12:7 エフタは六年間、士師としてイスラエルを裁いた。ギレアドの人エフタは死んで、自分の町ギレアドに葬られた。
12:8 その後、ベツレヘム出身のイブツァンが、士師としてイスラエルを裁いた。
12:9 彼には三十人の息子と三十人の娘があった。三十人の娘は一族以外の者に嫁がせ、三十人の息子には一族以外から三十人の嫁を迎えた。彼は七年間、イスラエルを裁いた。
12:10 イブツァンは死んで、ベツレヘムに葬られた。
12:11 その後、ゼブルンの人エロンが、士師としてイスラエルを裁いた。彼は十年間、イスラエルを裁いた。
12:12 ゼブルンの人エロンは死んで、ゼブルンの地アヤロンに葬られた。
12:13 その後、ピルアトンの人ヒレルの子アブドンが、士師としてイスラエルを裁いた。
12:14 彼には四十人の息子と三十人の孫がいて、七十頭のろばに乗っていた。彼は八年間、士師としてイスラエルを裁いた。
12:15 ピルアトンの人ヒレルの子アブドンは死んで、アマレク人の山、エフライムの地にあるピルアトンに葬られた。

士師記11章には、アンモン人の侵攻に困ったイスラエルの民が、遊女の子で、ならず者たち共に行動していたギレアド人エフタに対し、アンモン人と戦ってくれるよう頼んだことが記されている。
エフタは、もしアンモン人に勝利したら、イスラエルの指導者となれるという条件と引き換えに、アンモン人と相対することとなる。
エフタは、最初、アンモン人たちと交渉しようと試みるのであるが、アンモン人らの言い分は、かつてイスラエルがエジプトを脱出してカナンの地に侵攻してきた際、自分たちの領土を奪ったと言うのである。
これに対し、エフタは、アンモンを奪ったのではなく、カナンの地に入るために、エドムやモアブの地を通らせて欲しいと頼んだが、彼らが受け入れなかったため、彼らの支配地を避けながら進んだが、その経過の中で、ヨルダン川の東側に住むアモリ人が攻撃してきたので、彼らと戦いになり、結果、その地を支配することになったのだと述べている。
イスラエルとしては、周囲の先住民に対し、配慮しながら神に命じられた地へ侵攻していったとの思いがある。
しかし、アンモン人らにとってみれば、実質的には支配していなかったとしても、自分たちにしてみれば、支配地同然と考えていたふしがあり、国境線や支配地域の線引きがあいまいな時代にあっては、ごく普通に生じていた勢力争いのようなものであったと考えられる。
現代でも、国と国とが支配領域を巡っての言い争いが絶えないし、いつの時代でも、自分たちの利益誘導のために「言った者勝ち」のようなところがあるのかもしれない。そして、最終的には、武力を用いての実行支配という形で落ち着くのであろう。
誰もが自分の利益優先で物事を考えるし、自分中心の物言いを続けていくことで、既成事実化させてしまうということもある。
なんとも理不尽な感じもするのだが、それが人の世の常なのかもしれない。
本当は、この世のものは全て、誰のものだなどと言いきれるようなものはないはずであるが、力ある者、富ある者、権力を持つ者たちが、自分たちの都合のいいルールを定め、実行支配していくのだろう。
もちろん、世の中のルールを無視して良いというものでもない。
社会の秩序と安定のために、守るべきルールもある。
しかし、誰かが力づくで、自己中心的な思惑の中で、ある意味既成事実化されたような物言いに対しては、毅然と立ち向かわなければならないこともあろう。
本当の平和、本当の幸いが何であるかということを追い求めつつ、人間の思惑よりも、神の御心が優先されること、それを望みたいものである。