申命記31:30 モーセは、イスラエルの全会衆にこの歌の言葉を余すところなく語り聞かせた。
32:1 天よ、耳を傾けよ、わたしは語ろう。地よ、聞け、わたしの語る言葉を。
32:2 わたしの教えは雨のように降り注ぎわたしの言葉は露のように滴る。若草の上に降る小雨のように青草の上に降り注ぐ夕立のように。
32:3 わたしは主の御名を唱える。御力をわたしたちの神に帰せよ。
32:4 主は岩、その御業は完全でその道はことごとく正しい。真実の神で偽りなく正しくてまっすぐな方。
新共同訳聖書の表題には「モーセの歌」と記されています。
文体も、確かに、散文の形態となっており、これがモーセによる、あるいは、聖書中最も古い詩の一つであることは疑いのないことでありましょう。
モーセはもともと口の重い人物でありましたから、こういった詩的表現を用いて語ることの方が得意だったのかもしれません。
そして、モーセと言えば、二枚の石の板に書かれた十戒が有名ですが、これも現代風に言えば、書物であると言えます。
面と向かって口では言いにくいことも、手紙にしたためた方が落ち着いて自分の気持ちを伝えることができるという方には、このことの意味はよく理解できるのではないでしょうか。
二番目に言いたいことしか
人には言えない
一番言いたいことが
言えないもどかしさかに耐えられないから
絵を書くのかも知れない
うたをうたうのかも知れない
それが言えるような気がして
人が恋しいのかも知れない
(星野富弘「風の旅」より)