「現代霊性論」を読みました | 自然治癒力を引き出す暮らしのヒント帖

自然治癒力を引き出す暮らしのヒント帖

カラダは食べた物で作られている…でも、ホントはもっと大きなエネルギーに支えられているます。マクロビオティック・薬膳等の食のアプローチと気功・瞑想、代替医療の素晴らしきアイテム。子育てしながら転勤妻視線で千葉での暮らしを綴ります。

きっと、世の中的には「タツラー」に入っている私。

先日の本 に続き、内田樹 先生の本をもう一冊。


こちらも図書館から借りてきて、ダイニングに置いていたら

だんなさまに「この表紙、井上雄彦 さんじゃない??」と言われ

「モーニングのバガボンドの人だよ」と説明されて気が付きました。


モーニングに載っている宇宙兄弟は好きなのですが

バガボンドはちょっと苦手なので飛ばして読んでいました(笑)

確かに、作風が一緒ですね。


この本は、内田先生が釈先生を招いて二人でかけあい講義を

大学院の授業としてされたものを再録しています。


いいなぁ、こんな授業。なんとも言えないグルーブ感。

ライブで聴いてみたかった。。。


タイトルにある通り「霊性」をテーマに、宗教やタブー、場の話、

スピリチュアルブームについてなど興味深い内容がいっぱい。


気になった方は手に取っていただきたいのですが

特に面白かったのは、やはり?!食にまつわる話。


「「通過儀礼」を三つの構造に分けて考えます。その三つとは

「分離・移行・再統合」です。・・・・食生活においても、それまで

動物や植物、つまり生き物であったものが、移行されることで、

再統合されるわけです。その際には、必ず儀礼が必要なんです。

ごく身近な例で言うと、手を合わせて「いただいます」と言うのも

儀礼ですよね。儀礼を通して初めて人間は他の生き物を

食べられる、というメカニズムがあるわけです。」(220頁)


いただきます、と言う日本語を外国語に訳する時に

相当するような言葉がないと聞きますが、

儀礼とは考えたことがありませんでした。なるほど。。。


そして、ちょっと長いけどもう一つ面白い話の引用を。


「ほとんどの民族や文化でも、生物から食物への移行時に

なんらかの儀礼を行います。たとえば、ムスリム(イスラム教徒)

は豚を食べないのですが、じゃあ、牛や羊だったら何でも

食べるかと言うと、厳密にいえばそうではありません。きちんとした

儀礼をおこなった肉でないと食べてはダメなんです。

牛を屠るときは、きちんとアラ―を讃える文言を唱えながら

頸動脈をナイフで切るという作法が必要で、儀礼を通して

初めて食べられることになっています。」(229頁)


マクロビオティックの講座で聞いたのですが

自分の力で屠ることのできないようなサイズの動物は

食物連鎖的に食べるべきではない、という話。


昔は、鶏なんかも自分たちで絞めていたという話を聞きますが、

もし、本当にその場面に遭遇したら、やっぱりその命を

いただく時には儀礼がないと苦しいかもと思います。


「食べる」ということは私たちの「生」と直結していて

そして、儀礼とか作法は私たちの営みには欠かせないという

ことなのでしょうね。



現代霊性論/内田 樹
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