さて前回に引き続き今回もAutechreを紹介します。

前回の文章の最後に『新しい姿を見せる』と、含みを
持たせた事を書きましたが、その言葉に負けない、
強烈な作品を紹介します。

『Confield』です。
誰でも分かる洋楽入門-confield

前回ご紹介した『LP5』より3年の沈黙を経て
リリースされた本作は、完全に超えてしまった。
そう、超えてしまったのだ。
既にリズムはリズムとしてではなく、純粋たる音となった。

言いたい事は↓で詳しく書くので、
まずは何も考えずに聴いて欲しいと思う。
『VI Scose Poise』


『Cfern』


『Pen Expers』


『Sim Gishel』



恐らく一曲目の最初の音が聴こえた時点で、
『?』となってしまったかと思う。

私も最初に試聴した時、何が起きたのか分からなかった。
ヘッドホンから流れる音の塊は明らかに今までのAutechre、
そしてTechnoの枠をあっさり超えてしまっていたのだから。

このアルバムの全体像はある程度聴きこまないと分からない。
初めて聴いた時は、ただただその音の前にひれ伏してしまう。
とにかく圧倒的なのだ。全てが未知の世界であり圧倒的なのである。

しかしある程度聴きこんでいくと、
そこに一つの明確なテーマが見えてくる。
音楽の可能性に対するAutechreからの回答、あるいは挑戦。
そして留まる事、あるいは既成概念への反発。

↑でも書いたが、この作品においてリズムはあくまで音であり、
曲を構成する要素の一つとして扱われている。
このアルバムにおいて、そんなリズム、あるいはTechnoとは、
こうあるべきであるという既成概念を真正面から否定している。

しかし単に実験性や革新性を追い求めた作品ではない。
音の端々に、Autechreの音への、そしてその音が生み出す
空間へのこだわりがうかがえる。
そう、これは間違いなくAutechreの作品である。
どこまで姿を変えようとやはりAutechreはAutechreなのである。

もしかしたら、Autechreというのはアーティストというより
プロジェクトとして捉えた方が相応しいかもしれない。
既成概念に対する反発、そして新しい音への挑戦。
それらへのアプローチ、一連のムーブメントとしてのプロジェクト。


長々と書いてしまったが、
とにかく何度も聴いてみて欲しいと思う。
そこには必ず変わった自分がいるはずだ。
音やリズムの構成に何か一定の法則を求めていた
過去の自分とは違う新しい自分が。

そんな事を言っておきながらなんだが、
残念ながらこの作品は傑作とは言えない。
まだまだ、トラックとして未完成な部分が見受けられる。

この作品はAutechre(新Autechreと言えようか)の
進化の過程であり、序章に過ぎない。
しかし、Autechreが、Technoが、更に言えば音楽が
進化する上での重要な作品である事は間違いない。


次回もAutechreをご紹介する。
進化したその先に、果たしてどんな世界を彼らが
見せてくれるのか?そしてその世界で鳴らされる音とは?
そんな作品を紹介したいと思う。

ではでは。