いつも音楽の事ばかり書いているので、
たまには他の事も書いてみようかなと思います。

以前に本の事を書きましたが、久し振りに村上春樹さんの作品を
読んだので、それについて書いてみたいと思います。
以前のレビューはこちら


読んだのは『アフターダーク』です。
結論から言うと、アウトです。
ってここで早くも他のサイトに飛ばされちゃいそうですが、
もう少しお付き合い下さい。

ええと、彼の作品は前作の『海辺のカフカ』まで全て読んでいたのですが、これがあまりにも下らなかったのでずっと読んでいなかったんです。
しかし一時はかなり愛読した作家なので、やはり気になって手に取りました。

この作品に限らず、彼の作品については賛否両論、
あるいは色んな意見があるかと思います。
ちなみにここに書かれているのはあくまで私の感想なので悪しからず。

『海辺のカフカ』も正直かなりがっかりした作品でした。
以前のブログにも書きましたが、私の中では彼のピークは
初期の3部作の『羊をめぐる冒険』です。
この作品は彼の最大の武器である美しい文章、スリリングな展開等、
初期の作品ながら、彼の集大成と呼べる傑作です。

しかしどうでしょう?
『海辺のカフカ』もさることながら『アフターダーク』も『は?』の一言です。
もう少し深く突っ込んで書くと、主題、あるいはその作品で彼が
何を言いたいのかが全くもって分からないのです。

この作品は『世界の終わりとハードボイルド・ワールドランド』や
『ねじまき鳥クロニクル』同様、物語は二つの視点から構成され、
それらが同時進行しながら進んでいきます。

↑の2つの作品では百歩譲って、その2部構成はある程度作品において
効果を発揮したと言えるでしょう。
しかしこの作品では、全くもって意味を持っていません。
逆に話の進行上、無意味に重なってくるので必要無いと思います。

姉の部屋の描写は何の意味を持つのでしょうか?
そしてキーパーソンと思われた仮面の男の存在理由は?

何にも解決、あるいは明かされないまま作品は突然終わります。
全然別のもので例えるならば、エヴァンゲリオンに似ています。
要は、含みを持たせながらも何の答えを持たずに急に、
そして勝手に終わるんです。

これってかなりタチの悪いやり方だと思います。
読者にイメージだけを膨らまさせて、実は何のオチも無い。
そしてそのオチが作品の中に含まれていて、それを読み取れない
読者の読解力が低いのであって、作品自体は明確な答えを提示していると。

これを読んだ後、色んなサイトで書評なるものを読みました。
どれも似たような意見ばかりで、ちゃんちゃらおかしいです。
作品の意図を見付けようと必死になっています。
あの村上春樹の作品なんだから悪い訳が無い。
それなら何とか良い点を見付け、それを評価しようとやっきになってます。
何故、著名な作家だから駄作である訳がない、と作品を疑わないんでしょうか?
本来作品と作者は独立していて、作品の出来が全てなはずです。
作品が駄目なら、いくら優れた作家であろうと駄目なものは駄目なんです。
ここに日本人特有の弱さがうかがえる気がする。
長いものには巻かれろ的な俗っぽい発想。

海外は甘くないですよ。
いくら有名な人物であっても、作品そのものにフォーカスをしぼって、
その作品の出来によってその作者が認められるといった具合です。
だから結果が全てのシビアな世界だと思います。

何だか思いついた事をダラダラと書いてしまいましたが、
個人的には『アフターダーク』は予想を遥に超える駄作でした。
もし出来れば、彼と対談したいと思っています。
多分彼の得意なロジックに簡単にまかれると思うけど。

しつこいようですが、これはあくまで私の意見感想です。
もしこの内容、あるいは作品についてのご意見ご感想を
頂けると幸いです。