1979年のイランアメリカ大使館人質事件を題材とした実話のドラマ化作品。
イラン革命真っ最中の1979年。
イスラム過激派グループがテヘランのアメリカ大使館を占拠し、52人のアメリカ人外交官が人質に取られた。
だが占拠される直前、6人のアメリカ人外交官は大使館から脱出し、カナダ大使公邸に匿われる。
CIAのトニー・メンデス(ベン・アフレック)は6人をイランから救出するため、『アルゴ』という架空のSF映画をでっち上げて6人をそのロケハンのスタッフに身分偽変させるという作戦をたてる。
一つ間違えれば自分の命だけでは済まない状況を度胸と機転とアイデアで立ち向かう。
ハリウッドの虚栄に対する皮肉や突然の中止命令をだす、CIAの官僚体質と現場工作員の対比などもあり、派手な格闘やカーチェィスシーンが無くてもスリリングな緊張の連続、ハラハラさせられ面白かった。2012年アメリカ映画 原題「Argo」 監督・主演 ベン・アフレック
「いかにも嘘臭い私小説・・・明らかに嘘なのだが、嘘がいつの間にか切実なものを映し出しているような私小説」(P32)
女同士の友情に嫉妬する男の心情を綴った私小説表題作と「変態月」2つの短編が収録されている。
男友達もなく女との恋も知らない変わり者の45歳の中年小説家・本田の心を捉えたのは、レズビアンの親友・七島美野の女同士の恋と友情。女たちの世界を観察することに無上の悦びを見出す本田だが、やがて欲望は奇怪にねじれて・・・。
10歳年下の女友達・七島とルームシェア・同居して三年が経つ。七島は思わせぶりな同僚・寒咲(かんざき)に振り回されており、その相談役として本田は充足していた。しかし七島にヒサという女友達ができてから、二人の関係は変わっていく。
互いに性的な興味を持たない2人の生活は、これまで均衡を保ってきたのだが本田は七島とヒサとの友情に嫉妬し、電話での二人の生々しい会話を聞きたくて仕方がない。ついに七島の部屋に盗聴器を仕掛けることを思いつき実行する。
タイトルでもある奇貨とは『「奇貨居くべし」の「珍しい品物や人材」』(P84)という意味。
『後で利益をもたらすようなもの』という意味もある。
男と女、女と女の交歓を繊細に描いた友愛小説は飄々としたユーモアに満ちていました。
2012年8月新潮社刊
女同士の友情に嫉妬する男の心情を綴った私小説表題作と「変態月」2つの短編が収録されている。
男友達もなく女との恋も知らない変わり者の45歳の中年小説家・本田の心を捉えたのは、レズビアンの親友・七島美野の女同士の恋と友情。女たちの世界を観察することに無上の悦びを見出す本田だが、やがて欲望は奇怪にねじれて・・・。
10歳年下の女友達・七島とルームシェア・同居して三年が経つ。七島は思わせぶりな同僚・寒咲(かんざき)に振り回されており、その相談役として本田は充足していた。しかし七島にヒサという女友達ができてから、二人の関係は変わっていく。
互いに性的な興味を持たない2人の生活は、これまで均衡を保ってきたのだが本田は七島とヒサとの友情に嫉妬し、電話での二人の生々しい会話を聞きたくて仕方がない。ついに七島の部屋に盗聴器を仕掛けることを思いつき実行する。
タイトルでもある奇貨とは『「奇貨居くべし」の「珍しい品物や人材」』(P84)という意味。
『後で利益をもたらすようなもの』という意味もある。
男と女、女と女の交歓を繊細に描いた友愛小説は飄々としたユーモアに満ちていました。
2012年8月新潮社刊
特殊な知覚現象を持つ女性を主人公にした冒険ミステリー。
共感覚(シナスタジア、synesthesia, synasthesia)とは、ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象をいう。 例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする。
南アルプス山岳救助隊の新人隊員・星野夏実は、相棒の救助犬、ボーダーコリー=メイとともに、北岳にある現地警備派出所に着任した。
過酷な訓練と、相次ぐ山岳事故、そして仕事への情熱と誇り。そんな日々の苦楽をともにする仲間にも打ち明けられない秘密が、彼女にはあった。
東日本大震災の被災地で目の当たりにした凄惨な光景での体験“共感覚”という能力を持つがゆえに受けてしまった深い心の疵が、今もなお越えられぬ岩壁のように夏実の前に立ちはだかっていた。
やがて立て続けに起こり始める不審な出来事。
招かれざるひとりのVIP登山者に迫る陰謀と危難を察知した夏実は、猛り狂う暴風雨の中、メイとともに命をかえりみず救助に向かった。
3・11の震災を扱っているのが新しい感じ。山好きの私にはもちろん、犬好きの人にも犬が活躍する感動の青春物語です。
『いつだって死はすぐそこにある。山では多くの人が命を落とす。・・・癌を・・・すべて定められた運命だ。あらがうことのない時の流れなのだ。残された時間が短ければ短いほど、私たちはそこに何かを見出すべきだ。生きていることは素晴らしい。・・・純粋。なにものにも汚されない心。」(P355)
2012年8月徳間書店刊
共感覚(シナスタジア、synesthesia, synasthesia)とは、ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象をいう。 例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする。
南アルプス山岳救助隊の新人隊員・星野夏実は、相棒の救助犬、ボーダーコリー=メイとともに、北岳にある現地警備派出所に着任した。
過酷な訓練と、相次ぐ山岳事故、そして仕事への情熱と誇り。そんな日々の苦楽をともにする仲間にも打ち明けられない秘密が、彼女にはあった。
東日本大震災の被災地で目の当たりにした凄惨な光景での体験“共感覚”という能力を持つがゆえに受けてしまった深い心の疵が、今もなお越えられぬ岩壁のように夏実の前に立ちはだかっていた。
やがて立て続けに起こり始める不審な出来事。
招かれざるひとりのVIP登山者に迫る陰謀と危難を察知した夏実は、猛り狂う暴風雨の中、メイとともに命をかえりみず救助に向かった。
3・11の震災を扱っているのが新しい感じ。山好きの私にはもちろん、犬好きの人にも犬が活躍する感動の青春物語です。
『いつだって死はすぐそこにある。山では多くの人が命を落とす。・・・癌を・・・すべて定められた運命だ。あらがうことのない時の流れなのだ。残された時間が短ければ短いほど、私たちはそこに何かを見出すべきだ。生きていることは素晴らしい。・・・純粋。なにものにも汚されない心。」(P355)
2012年8月徳間書店刊