5つの連作短編警察小説。主人公は、新たに設置された豊洲署生活安全課の刑事・岩倉梓。
佃煮屋やもんじゃ屋が立ち並ぶ江戸情緒漂う町の隣に人口8万人から20万人へと急成長する都市が出現。
日本全体が少子化と人口減に悩まされる中、多摩ニュータウンで失敗した都市計画を、多彩な超高層タワーマンションと巨大ショッピングモールによって、子どもたちが溢れた空前の人口爆発に置かれている新しい街・ 東京都江東区豊洲。
もともと工業地区だった豊洲には、古い団地や雑居ビルも溢れた不可思議な景観も残しています。
そこで明らかになってくる日本の縮図ともいえる歪みと希望。ここに持ち込まれてくる「児童ネグレクト」「貧困老人の孤独死」「震災詐欺」など、ただの「地域(ZONE)」が「街」になっていくその過程で生まれる歪み。岩倉梓が扱う事件に物騒な人殺しや凶悪犯罪などはない。
“ZONE”で起きた事件を通じて犯罪者に優しい否、人に優しい目を向け自分を含めた人間模様を描いている小説です。
シリーズかされそうな新しい意味での警察小説・新主人公です。
2012年8月角川春樹事務所刊