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旅蔵のブログ

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5つの連作短編警察小説。主人公は、新たに設置された豊洲署生活安全課の刑事・岩倉梓。
佃煮屋やもんじゃ屋が立ち並ぶ江戸情緒漂う町の隣に人口8万人から20万人へと急成長する都市が出現。
日本全体が少子化と人口減に悩まされる中、多摩ニュータウンで失敗した都市計画を、多彩な超高層タワーマンションと巨大ショッピングモールによって、子どもたちが溢れた空前の人口爆発に置かれている新しい街・ 東京都江東区豊洲。
もともと工業地区だった豊洲には、古い団地や雑居ビルも溢れた不可思議な景観も残しています。
そこで明らかになってくる日本の縮図ともいえる歪みと希望。ここに持ち込まれてくる「児童ネグレクト」「貧困老人の孤独死」「震災詐欺」など、ただの「地域(ZONE)」が「街」になっていくその過程で生まれる歪み。岩倉梓が扱う事件に物騒な人殺しや凶悪犯罪などはない。
“ZONE”で起きた事件を通じて犯罪者に優しい否、人に優しい目を向け自分を含めた人間模様を描いている小説です。
シリーズかされそうな新しい意味での警察小説・新主人公です。
2012年8月角川春樹事務所刊
人付き合いの苦手なオタクニートと幼稚園児が名探偵の連作短編ミステリー。
「ひきこもりニートの僕が、姪っ子の世話をするハメに…」。
引きこもりのニート29歳・白畠鋭一は、バツイチの姉・真矢がニューヨークに出張する間、幼稚園児の娘・5歳のリサの面倒を見るよう命じられ、単身姉の家がある名古屋へ。
リサの幼稚園を訪問して早々に変態と間違われたり、さらに園児・サヤカの誘拐事件にも巻き込まれ散々な目にあったり。
幼稚園で起る様々な事件を、リサに助けられて解決するうちに、縮こまった鋭一の心も徐々に開かれていく・・・。
といっても事件は殺人事件などではなく、大人の感性と幼児の純粋な感性とに生じたギャップの謎の意外性が、事件になっているもの。
事件を通して人と接することで、対人恐怖症を克服していく、という1人の男性の成長の物語でもあるという面もあるし、全編を通しての意外な真相も最終編で明らかになるという展開です。
こましゃくれた5歳児があまりにも良く気がつき聡明でありえないと感じる面もあるがユーモアを感じながら読み通した。
2012年1月文藝春秋刊
樹齢千二百年の金木犀が見守る昔懐かしい街。そこで起こった怪異現象の謎?
かつての大君が愛したという花の都の端にひっそりと存在する一帯、“金木犀二十四区”。
ここで祖母の初と花屋を営む「木下秋」のもとに山伏・佐々木岳史と天文台職員・堀田敦志がやって来る。
街に異変をもたらす隕石を回収しにきたという岳史たちに秋は半信半疑ながら協力しはじめるのだが
。その矢先「森林化」という怪現象が起こり、ある脅威が街を襲い始める。近未来小説?異次元の世界かパラレルワールドの出来事か。穏やかな著者のかもしだすムードが好きな人には満足だろうが会話主体の展開でサクサク読めますが内容がもう一つ不満。
主人公「秋」の出自や天狗の存在がミステリーになっているのだが、環境問題・地上げ問題ととらえても突っ込み不足。
三崎亜紀の作風に似ているともおもったが登場人物らにリアリティーが薄いのが残念。
 2012年8月角川書店刊