著者の出身地高知県を描いた観光小説。舞台は高知県庁に突如生まれた新部署“おもてなし課”。
観光立県を目指すべく、入庁三年目の25歳若手職員掛水史貴が主人公。
観光部おもてなし課では、振興企画の一環として、地元出身の人気作家吉門喬介に観光特使就任を打診するのだが、電話で「バカか、あんたらは」。いきなり浴びせかけられた吉門からの言葉に掛水は「いったい何がダメなんだ」と思い悩む。!?
ここからお役所仕事と民間感覚の狭間で揺れる掛水の奮闘が始まった。
この物語は掛水とおもてなし課面々と民間感覚を注入すべくアルバイトで採用した女の子明神多紀ちゃんとの、地方活性化にかける苦しくも輝かしい闘いの日々の活躍を描いた小説です。
かって県庁職員で「パンダ誘致論」を唱えて敗れ去り今は民宿を娘佐和と営む清遠と吉門の関わりも実に面白く、町も人も恋も成長していく展開に読み終わって高知県に足を運んでみたくなった痛快小説でした。
2011年3月角川書店刊
JR定光寺駅(春日井市)から多治見駅間の庄内川沿い約8キロ。1966(昭和41)年、電化複線化工事で新規に山中に線路が敷かれたため廃線となった。この区間には山ひだを縫うように13の赤れんがトンネルがあり、1900(明治33)年の開通当時の面影を今に残された東海地方最古の鉄道トンネル群。
旧国鉄 トンネル廃線後半世紀まるでタイムマシンでワープしたごとく当時まま残る。
明治時代に作られた「イギリス積み」と呼ばれる総れんが積みのトンネルが四つあり、歩いて見学できるようになっている。
あざやか新緑の中、SLの煙の煤の跡が残る冷やりとした暗いトンネル歩きは線路に敷かれていた石ころだらけで歩きにくいが当時の歴史のロマンを感じるいい体験だった。
現在は、民有地であるこの区間を買い取るため、愛岐トンネル群保存再生委員会により賛同者から寄付を募りナショナルトラスト運動も進めてられている。
秋の公開は、11・26 10時~2時まで一般公開中(100円)
芥川賞作家の短編2つ。「あの人」を失ったことを誰にも言えぬまま保育園で働く「わたし」。
恋愛の美しい記憶を反芻し後悔し、袖をぬらしながらも、密かに「和紙の方」とニックネームをつけている上品な同僚と酒宴にむかい、保育士仲間での恋愛の自慢話や噂話に興じる。同僚の女性たちと対話をしても、世の中にはさまざまな恋愛観がある、ということしかわからない。
保育園児たちが「ままごと」している姿のなかに、本質的な愛の残酷さと暴力性を見つけ、自分自身もそうだったのではないかと怯えたり。わたしは「あの人」を失うことを恐れるあまり、本音をさらさず、わざと意地悪な行為をしたこともあった。
愛すれば愛するほど孤独になり、暴力への欲望がめばえていった。自問を重ねた末に心機一転しようと自殺の名所を旅するが、何も得られないまま職場に戻る・・・夢とうつつを行き交いながら「わたし」はある境地に達し、ゆるやかにぬるく愛を諦めるのであった。・・・失恋の女性心理を現代の源氏物語な古風な文体で表した私小説でしたが正直になれない恋愛心理がくどくどと続くのには閉口。
他に男性同士の性愛を女性が女性のために書くボーイズラブという女性作家30代の小説家の視点で担当のイケメン編集者のやり取りを綴った「酔いどれ四季」。
2012年8月 集英社刊
恋愛の美しい記憶を反芻し後悔し、袖をぬらしながらも、密かに「和紙の方」とニックネームをつけている上品な同僚と酒宴にむかい、保育士仲間での恋愛の自慢話や噂話に興じる。同僚の女性たちと対話をしても、世の中にはさまざまな恋愛観がある、ということしかわからない。
保育園児たちが「ままごと」している姿のなかに、本質的な愛の残酷さと暴力性を見つけ、自分自身もそうだったのではないかと怯えたり。わたしは「あの人」を失うことを恐れるあまり、本音をさらさず、わざと意地悪な行為をしたこともあった。
愛すれば愛するほど孤独になり、暴力への欲望がめばえていった。自問を重ねた末に心機一転しようと自殺の名所を旅するが、何も得られないまま職場に戻る・・・夢とうつつを行き交いながら「わたし」はある境地に達し、ゆるやかにぬるく愛を諦めるのであった。・・・失恋の女性心理を現代の源氏物語な古風な文体で表した私小説でしたが正直になれない恋愛心理がくどくどと続くのには閉口。
他に男性同士の性愛を女性が女性のために書くボーイズラブという女性作家30代の小説家の視点で担当のイケメン編集者のやり取りを綴った「酔いどれ四季」。
2012年8月 集英社刊