
散歩の途中、私は広場に差し掛かった。そこで聞こえてきたのは、中学生くらいに見える二人の少年による興味深い会話だった。
その話に引き込まれ、私は足を止め、近くのベンチに腰を下ろして、しばらく彼らのやり取りに耳を傾けた。
少年B「イタリアの天才と言えば、お前は誰を思い浮かべる?」
少年A「そら、ダ・ヴィンチやろ。」
少年B「ダビンチ?」
少年A「ほら、レオナルド⋯」
少年B「あ、映画『タイタニック』の主演俳優⋯?」
少年A「それはディカプリオや!ちゃうちゃう、そうやなくて。」
少年B「わかってるって。あの『モナ・リザ』とかの名画を描いた人やろ?」
少年A「そうや。それだけやなくて、研究家や発明家としても偉大な功績を残しとるんやで。」
少年B「ああ、あのピサの斜塔から猫を落とす実験とかしたんやろ?」
少年A「いや、猫を落としたら、そいつはただのヤバい人やわ。実験したのは、鉄の玉と木の玉を同時に落として、同時に着地するのかを確かめたんや。しかも、それをやったんはガリレオやけどな。」
少年B「さっぱりわからない」
少年A「ドラマ『ガリレオ』の湯川先生かいっ、そのガリレオやのうて。」
少年B「ガリレオ・ガリレイやろ?」
少年A「なんや、知ってるやんか。」
少年B「そら知ってるわ。なんか陰謀説を唱えて裁判にかけられたりもしたんやろ?」
少年A「ちゃうわ!地動説や。当時は、地球の周りを惑星が回っているという天動説が一般的やった時代に、太陽を中心に地球を含む惑星が回っているという地動説を唱えたんや。」
少年B「そやったっけ。あと、世界が滅亡するとか予言もしたよな?」
少年A「それはノストラダムスや。しかもあいつ、フランス人やし。」
少年B「ノストラダマス⋯」
少年A「騙してどうすんねん!」
この軽快で愉快なやり取りを聞いていた私は、つい声をかけたくなった。
私「君たち、イタリアの二人の天才について詳しいみたいだね。ところで、ダ・ヴィンチがガリレオに会ったら、彼のことをどう思っただろうね?」
すると、二人の少年は顔を見合わせ、真顔で私に切り返してきた。
少年B「そもそも、二人はルネサンス期を代表する偉人やけど、ダ・ヴィンチは1452年生まれ、ガリレオは1564年生まれで、同じ時代に生きてへんから出会うことはあらへんわ。」
少年A「ダ・ヴィンチは『万能の天才』と呼ばれているけど、主に芸術的分野の功績が多い。対してガリレオは天文学的分野の功績が多いから、単に『天才』としてそれぞれを比較するのはどうかと思うで。おじさんは、僕らからもっと学術的な意味での答えを聞きたかったんかな?」
私「いや、あの⋯」
少年B「知ったかぶりして、薄っぺらい知識で話しかけてくる大人が多いから困るわ。」
少年A「ほんまや。これじゃあ、おちおち漫才の練習もできひんわ。」
私はかける言葉もなく、ただベンチに座り続けるしかなかった。
話は変わって、現実の話。
うちの🍋レモンと🫒オリーブも実が色づきはじめました。今年も有難う。

