秒速5センチメートル | 黄昏亭ブログ3~明日に効く薬

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言葉の持つ魅力とパワーを信じ、旧黄昏亭とSNOW RAINBOW☆虹雪のブログを併合して再スタートしました。Yahoo!ブログ閉鎖に伴いこちらに引っ越してきました。ヨロシクお願いします。

この前、たまたま『秒速5センチメートル』をテレビで観た。空前の大ブームを巻き起こした映画『君の名は。』の地上波初放送を記念して、新海誠監督による4作品、『秒速5センチメートル』『星を追う子ども』『言の葉の庭』『雲のむこう、約束の場所』が一挙放映されていたのだ。
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秒速5センチメールは“桜の花びらが舞い落ちる速度”
惹かれ合っていた男女の時間と距離による変化を「桜花抄」、「コスモナウト」、ならびに「秒速5センチメートル」という短編3話の連作構成で描く一時間ちょいの短い作品。
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物語は切ない話ではあるのだが、この映画のために作られたかのような山崎まさよしさんの『One more time, One more chance』という曲が妙にマッチしていて心を揺さぶられる。
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この話が私の昔の記憶を呼び覚まし、ひとつの物語を書く引き金になった。
秒速5センチメートルからヒントを得たショートストーリー。
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『約束~紫苑の記憶』

これから仕事のピークを迎えるためブログの更新もどうなるかわからないが、仕事が落ち着いたら、まだアイデアの断片だけのこの物語を完成させようと思う。

<予告編>

年明けに降り出した雪が窓の外を静かに舞い、街の灯りが夜の闇に小さくまたたいている。小さなワンルームマンションの一室。
俺は缶ビールを片手にテレビの画面をただぼーっと眺めていた。
テーブルの上には、何かを打ちかけたままのパソコン。その横には古びた紙片がひとつ。これは年末に実家に帰った時に自分の古い私物を整理していて見つけたものだ。
(こんなものをとっていたんだな・・・)
心で呟きながら、紙を広げる。子供の字で短い言葉が書かれている。

“おおきくなったら、けっこんしようね”

俺の心の中にある記憶が一気に当時の風景を呼び覚ます。
一面のれんげ畑の中で、幼なじみの女の子が一枚の紙を俺に手渡す。
恥ずかしげにうつむく少女。読んだ俺は照れ笑いしながら頷く。
誰しもが経験あるだろう、よくある子供の頃の約束―。
それを信じていたわけではないけど、俺は今も独身だ。
あれからその子とはいろいろあり、距離を置いたまま俺が引っ越し、
それっきり。
(今頃どうしているだろうな…)
ただ俺の記憶から今の今までその子の存在は消えていた。
(名前…なんだっけ?顔もうっすらとしか思い出せない)
でも何故かそのことが気になっていた。

窓の外の雪は次第に激しくなり、夜はただ更けていった―

<本編につづく>