<問合せ管理システムへの入力はみんなを助ける?> 
たびと 簡単なことです。問合せ管理システムは最終更新日時の降順に案件を最終更新者の名前入りでリスト出力する機能をもっていました。更新者対して,漏らさずお礼を言っただけです。
保品 えっ? お礼ですか?
たびと そうです。「○○さん。□□番案件の情報を午前中に情報追記し,併せて3件の新規登録をしてくれて,ありがとう」と,みんなに聞こえるように大きな声で言うだけです。
保品 入れたら褒めてくれるのだと思わせるのですね。
たびと 「褒める」とは違います。あくまで「入力作業への感謝」です。「入力するのが当たり前」という雰囲気が入力を阻害する元凶ですから,「忙しい中入力してくれたのです。みんなで感謝の気持ちでちゃんと見ましょう」ということを伝えるのです。
保品 あっ,そうですね。「褒める」という言葉は完全に相手に対して上から目線ですね。また,勉強になりました,気を付けます。
たびと そのお礼をバカみたいに私が続けると,その週の曜日を追うごとに問合せ管理システムの更新が進み,登録も増えていきました。
 
<2回目の月曜ミーティングは?> 
保品 正に「たびとマジック」ですね。2回目の月曜ミーテイングはどう進められたのですか?
たびと メンバが保守対応と問合せ管理システムに更新情報を入力するだけで精一杯だったのを私は知っていますので,更新リストを用意して,この1週間に新規登録されたものから順に,担当メンバから,プロジェクタに投影して説明してもらいました。
保品 どんな案件が新規に登録されたかを全員で共有するのですね。
たびと 共有の効果は,まだまだこの時点では私は期待していません。みんなの前で対応状況を説明することに慣れてもらうことがこの時点で一番私が期待していることです。
保品 入力が進むように仕向けた後,次は説明までさせるのですか?
たびと 説明してもらうことで,説明も場慣れするだけでなく,実は入力の質が揃うのです。説明してもらうと必ず「入力がまだなんですが」と補足説明が入ります。その補足を,入力を説明者の宿題にせず,その場でキータッチが最も早いR君に問題点管理システムに入力してもらいます。アッという間です。
 
<メンバ自らが入力の質を高める?> 
保品 次回からは,補足説明の記述も事前に入力されてくるようになるのですね。
たびと その通りです。メンバには「説明すべき大事な情報を入力していないのはいけない」という気になってもらうのです。
保品 これだけ丁寧に入力させると週当たりの案件の対応数が大きく減るのではないですか?
たびと 最初は少し対応件数が減ったかもしれません。それも各自日に入力に要した1時間分だけですけれどね(笑)。逆に,対応優先度付けに的確さとメリハリができ,1ケ月ほどしたら緊急案件の対応放置や大幅な遅れで,ユーザから怒られることが激減しました。
保品 優先度付けはメンバの判断ですか?
たびと いいえ。多分月曜日ミーティングで案件ごとに対応のトリアージを私自身がしたか,私が思うトリアージレベルになるようメンバに仕向けたと思います。
保品 トリアージ?
(15話につづく)