<本人が間違いに気づかないときには?> 
たびと まず本人は気が付いていない間違っている部分の説明を,説明理由を伝えず,本人にしてもらいます。そうすると,7~8割は場合,説明しているうちに本人が気づきます。
保品 それでも本人が間違いに気づかない場合には?
たびと 説明が終わった後,少し時間をわざと取って,本人が気づくのを待ちます。その間は,当然ですが場は沈黙が続きます。
保品 説明した本人に「何か変だな?」と思わせる訳ですね。本人がもう一度自分が今説明した情報をその場でよく再確認しますから,気づく確率が高くなるわけですね。
たびと 実は,それをしても気づかないことがあるのですが,本人も沈黙に耐えられず「どこか変なところがありますか?」と大概は聞いてきます。
保品 そこで,ようやくビシッと間違いを指摘するのですね。
 
<間違いの指摘はまだしない> 
たびと いいえ。本人に対して「こちらの理解が足らないのかもしれなんだけれど,○○の部分の説明が少し分かりにくくてね」と断定的に間違いの指摘はしません。
保品 そこまで限定されると本人も完全に気づくでしょう。
たびと まあ,ほとんどそうでしょうけど。稀にそれでも本人が気づかないときがあります。そんな場合は,「○○の部分の△△の説明は君は分かった?」と他のメンバー,それもできるたけ若手に聞くようにします。
保品 若手に言わせる意図は何ですか?
たびと 若手でも間違いに気づくようなことを,思い込みが邪魔をして気が付かないことを本人に気付かせるのです。
保品 かなり我慢が必要と思いますが,こうすると,全体としてどんな効果があるのですか?
 
<リーダは指摘しかしないチェックマンではない?> 
たびと 一番の効果は,本人の思い込みの強さを是正させることではなく,私が誤りを厳しく指摘するチェックマンではない。これをみんなに浸透させることです。その結果,メンバが私に話しやすくなるのです。
保品 何か言うと頭ごなしにすぐ間違いを指摘するようなリーダの下だと,やはり話しにくいように感じますからね。
たびと トンチンカンな報告や相談でも,まずはそれを聞いてあげる。最初からリーダの価値観を押し付けないことが,メンバを委縮させない重要な要素だと私は思っています。
保品 それだと,リーダしてのメンバに対するチェック能力やリーダシップ面の力が落ちませんか?
たびと 確かにチェックするのはリーダの選任タスクだと思ってしまうと,そういう恐れがあるでしょう。ただ,今までの私のやり方から分かってほしいのですが,チェックマンは各メンバ自身になってほしいのです。
保品 メンバ間で相互チェックをさせるということですか?
(13話につづく)