<J君,以前のチームの雰囲気を語る>
たびと J君は「前いたチームでは,与えられた担当範囲を頑張って保守対応するだけで,思うようにできないと感じても自分からは言い出せない雰囲気だった。ミーティングは上司の管理者が突然の指示で行われ,大概は人を減らすまたは作業範囲が増えるので,仕事をもっとやってほしいとの依頼ばかりだった」とね。
保品 わが社の管理者が突然呼び出すミーティングも,ほとんどそんな感じです(笑)。
たびと 新チームのミーテイングも「結局仕事の負担がもっと増えるのかと心配している」という,本音の気持ちを述べてくれました。
保品 ある意味,メンバとしては当然の心配ですよね。たびとさんはJさんに向かって「そんな弱い気持ちでどうすんだ!」と怒りまくったということはあり得ないですよね(笑)。
<もっと本音が話せる雰囲気のチームにしたい>
たびと そんなことあり得ないし,したいとも思ってもいません。「負荷が増えることが心配」という本音を30分待たないと口に出せないような,J君の元のチームだけでなく,部門全体の雰囲気だったのです。裏を返せば「愚痴を言っている暇があったら保守残件を減らせ」と言われかねないという雰囲気です。だから,J君は勇かなり気を奮って口を開いたのです。
保品 たびとさんはどう答えたのですか?
たびと まず,「Jさん。本音を話してくれ,ありがとう」と礼をいいました。「私は本音ペースを共有しながら進めたい。だから,他の人も本音で言ってほしい。『それは単なる愚痴だろう』と安易に否定したりしない」といいました。
保品 他のメンバからはいろいろ出たのですか?
たびと いいえ。また,沈黙が始まりました。そこまで,このチーム来たメンバは「自分の本音が何か」さえ意識できないくらい委縮していたのです。私は突然「では,次のテーマに移ります。私が感じている課題を言うので,みんなで確認してほしいので,協力してください」といいました。
<たびとは突然ミーティング進め方を変えた>
保品 かなり大きな進行内容変更ですね。どんな課題を提示したのですか?
たびと 私はJ君に向かって「先週の金曜日に電話で対応していた案件を説明してください」といいました。難しい課題についての話かと思ったメンバはみんなキョトンとしました。
保品 確かに,一般的に課題として挙げる感じじゃないですよね。
たびと 意表を突かれたJ君は「あっ,あっ,あれは,ときどき『どうなっているの?』お客様K社の営業担当から来たもので,あの~,すぐ対応しなければならない案件でも,重要な案件でもないです」と言い訳っぽく答えました。私は「どこかにその件は記録されているの?」と聞いたら,J君は「自分だけで解決できる内容なので特にどこにも報告も記録もしていません」と答えました。
保品 Jさん可哀そう(笑)。それに対して?
たびと 私は,チームで一番キータッチが速やそうなR君に「パソコンからプロジェクタに問合せ管理システムを映してください。これからJさんに説明してもらうので,新規採番し,情報を入力してください。では,Jさん説明を続けてください」といいました。
保品 Jさんは素直に説明したのですか?
(9話につづく)