ご来城の皆様、こちらで見守って下さいました方々ありがとう存じます。無事終演致しました。
こちらでは今回の演目について詳しい解説を記録しておこうと存じます。
*演目紹介*
1、Antonio de Cabezón (アントニオ・カベソン/ スペインの作曲家) (1510-1566)
Diferencias sobre el "Canto del Caballero" (騎士の唄)
(cv solo 山本さくら)
山本:「2部のお芝居に登場する騎士ドン・ロドリーグのイメージで選曲してみました」
2、Reynaldo Hahn (レイナルド・アーン/フランスの作曲家) (1875-1947)
Théophile de Viau (テオフィル・ドゥ・ヴィオ/フランスの作詞家) (1590-1626)
Á Chlolis (クロリスに)
(vo 山本さくら/ cv佐藤まどか)
佐藤:「ドン・ロドリーゴの剣」の台本が届いた時、まるでラストシーンそのもののようなこの曲が真っ先に思い浮かびました。
17C 彗星の如く現れ、大変人気だった詩人、ヴィオの詩に近代の作曲家アーンがバロック調の曲を付けています。
原曲はピアノ伴奏ですが今回はよりバロックらしくチェンバロと唄で演奏しました。
詩の日本語訳をご紹介します。
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クロリスに
本当かい クロリス、
君が僕を愛している
僕もわかっていたけれど…
でも、もしこれが本当なら、
どんな王様であっても、僕ほどの喜びを知りはしまい。
死のなんと迷惑なこと。天上の喜びなんて、今の僕にはどうでもいい。
クロリス、君が僕を愛している。これ以上の至福がどこにあるというの
不老不死を約束するアンブロシア?そんなものに興味はない。
だってクロリス、
君のその瞳の魅惑だけが、
僕の心をかりたてるのだから
クロリス、君が僕を愛している
この至福 君の瞳
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アンブロシアはギリシャ神話の神々の食べ物、
クロリスという名前はギリシャ神話に出て来る春の女神に因んでいます。
ボッティチェッリの「プリマヴェラ」には右端に西風に捕まって驚いているクロリスが描かれています。
可愛いニンフのクロリスは西風に見初められ、その愛を受け入れる事によって花開き新しい生命を生む春の女神になった、とされています。クロリスという名前そのものに正に今花開こうとしている乙女の姿を重ね、
ときめきの瞬間を切り取ったこの詩。なんてロマンチックなのでしょう。。。
2部のお芝居の最初と最後にもこの曲を使いましたがお客様はお気づきになられましたでしょうか…?
3、J.B.Lully 作曲(1632-1687)
Le Bourgeois Gentilhomme(町人貴族)より
Sarabande (サラバンド)
(fl佐藤まどか / cv山本さくら)
サラバンドの起源はスペインではなく、スペインの植民地で流行っていたものがスペインに入ってきたそうです。
それがフランス、ヨーロッパに伝わっていきます。
ただ当初スペインではサラバンドの踊りは猥褻(ワイセツ)だ、という事で禁じられていたそうです。
違反すると男性ならば鞭打ち200回、女性ならば国外追放、という大変重い刑罰付きとの事。
そんなに猥褻なの?!どんな踊り??現在のサラバンドとそんなに違うのでしょうか?
案外現代人にとってはどうって事ないような気が致します。
何故なら、当時カトリックの影響下にあったスペインの女性の衣装はショールで胸元を隠し長袖、ロングスカート、極力肌を見せないようにしています。足を上げて回った時に裾から足首がちらっと見えただけでも大事だったかも知れないからです。後に18Cになるとカマルゴというフランスの女性ダンサーがドレスの裾を短くミディー丈にして舞台に立つとセンセーショナルを巻き起こし殿方はかぶりつき席で夢中になっていたという記録もありますから、案外そんな程度かも……。ご存知の方いらっしゃいましたら是非ご教授頂きたいです。
フランスに渡ったサラバンドはエレガントな3拍子となり宮廷作曲家リュリのオペラ・バレエの中でも踊られております。
⭐︎スペインの踊り⭐︎
フランス人から見たスペイン風という設定で描かれています。
4、André Campra 作曲
L'Europe galante(華麗なるヨーロッパ)より
“Entrée Espagnolle pour une femme“(女性ソロの為のスペインのアントレ)
5、Annon (民間伝承) 作曲
Les Folies d'Espagne (スペインのフォリア)
お客様にもご協力頂きパルマ。スペインの街角のような……アrーサ!
オーレ!!
(Dance 佐藤まどか/ 山本さくら/朝霞ルイ)
********** 第2部 *********
短編劇 コルネイユ作 「ル・シッド」より
“ドン・ロドリーゴの剣”
脚本:朝霞ルイ/ ロドリーゴ:朝霞ルイ/ シメーヌ:中川朝子
舞台袖で楽隊は効果音やBGM を鳴らしながら
当時非常に人気があったコルネイユの作品を私達も同じく楽しむ事が出来ました。
ストーリーのどんでん返し、TVのドッキリのような着想、アカデミー・フランセーズにつべこべ言われようとも
面白いものは面白い。強く民衆や王の評価を得ていたのを肌で感じられました。
お待ちかね、お食事の準備が整いました!
毎年この時期は台風とニアミスしたり、ハプニングが尽きないのですが
今回は猛暑疲れからか演者もお客様も体調を崩す方が大変多く、お申し込み自体は延べ人数、定員超えでしたが若干のマイナス。役者の降板による入れ替えでタイトな準備期間となり結構辛い追い込みでしたがコレもまた良き思い出となりました。
初めてご来城になった方はこの素敵なテーブルはコーマル城の奥様の手料理だと聞きびっくりしていらっしゃいました。
終演後、お客様と共にアフタヌーンティー、コーマル城ならではの特別な時間を過ごすことができます。
「夢のようなひとときを過ごせました」と多くのメッセージを頂き改めてここで活動させて頂ける幸せを感じました。
バロックダンスを習い始めたばかりの頃から背中を押して下さる城主、高丸さん、お食事の手配から進行までフォローして下さっている喜久子さんには感謝しきれません。この場を借りて御礼申し上げます。
さらに精進致します。
















