90年代に書かれた本だけれども、戦後間も無い頃の思い出も書かられていて読み応えがあった。
特に汽車旅の型、僕的にいう「正しい楽しみ方」について記載されている部分を紹介したい。
まずは新幹線の3列シート。方向転換できないことから0系の初期リクライニング仕様のことだろう。
「すいている時には肘掛けを上げて横になるのがいい」とある。
新幹線の車内飲酒すら禁止すべきという意見が多く見られる今とは次元の違う話だ。
※このニュースを引用したのは「酒の席の無礼は許される」という趣旨ではなく、あくまでも車内飲酒に対するコメントを参照して欲しいというものです。誤解なきよう。
客車列車に関する部分。
「車内は4人掛けのクロスシートがきっちり並んでおり、窓際にロングシート、などと不様ではない」
そう、ロングシートは「不様」です。
映画に見る汽車の部分。P77最後からP78初め
有名な「張込み」の部分、仕事で乗る夜行列車の部分。
「今は新幹線か飛行機だから、全く絵にならない」
最近は「新幹線でも旅情はある」といった無理矢理納得してさせるような意見も見られるけど。
最後にここに著者による「正しい汽車旅」についての見解がある。
著者より少し下の世代の僕も感覚は全く同じだ。
いつから「新幹線やロングシートにも旅情がある」となったんだろうか。