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どうも。

人物の写真があがっていますが、「ノビチョク」は人名ではありません。

ロシア製の神経ガスの「通称」です。

 

写真の人物は、「ノビチョク」によって殺害が図られたとされるロシア反体制派の活動家・アレクセイ・ナワリヌイです。

ロシアのスパイ機関の工作を疑う配偶者の強い希望でロシア・モスクワでなくドイツでの病院治療の検査結果によって彼はノビチョクによって重体に陥ったとされました。

このことは先年のイギリス亡命のロシア人スパイ父娘に対する攻撃とあいまって、ロシアが化学兵器の制限条約を破って新規の神経ガスを実際に暗殺などの攻撃に使用しているというエビデンスとされています。

もちろん、プーチン政権は認めていませんけれど。

 

ノビチョク、というのはロシア語の直訳では「新参者」となるそうです。

化学ガス製造工程で、「第4世代」とされる産物だったからでしょう。

ソマンの10倍、VXガスの5~8倍の致死性を持ち、危険な物質から実行者を守れるような構造性を有する極めて凶悪な化学兵器なんだそうです。

日本ではサリンが有名ですが、世界的にはVXガスの次々世代にまで至っているわけですね。

 

もちろん、ロシアが現状使用しているのは、ソ連時代の研究の賜物でそのことを裏付ける研究者が現在アメリカに亡命しているくらいです。

かつては中央アジアの衛星国家の下に研究施設があったと解っているんですが、その解体後も軍事転用も含めて実戦配備の研究は続けられていたんですよね。じゃないと、「ノビチョク」が真に機密であったなら秘密漏えいの首謀者たちが無事でいるわけないと思われます。

つまり、使っているんだから「もう秘匿すべき物質」ではない、ということなんじゃないでしょうか?

もちろん、化学兵器は禁止ですから国家としては否定し続けても、いわゆる金正男氏殺害への関与を北朝鮮が否定するのとおんなじです。

あれはもう「ノビチョク」が存在しているのにVXガスでしたから、北朝鮮への軍事協力関係ってのも推して量るべし、ですかね。

 

貧しい核兵器と呼ばれる化学兵器に、なぜロシアという軍事的・科学技術的大国がこうも前のめりなのか、はロシアの置かれている現状がさせるのかもしれません。

経済規模は、朝鮮半島の分断国家に過ぎない韓国とほぼ同規模になるまで産業が疲弊し、資源輸出と軍事物資輸出に依存しているロシア経済の闇は相当深いんだと思います。

日本には、見るからに間抜けなイヤミ崩れみたいなロシア研究学者しかいないのが嘆かわしい・・・軍事研究家さんが、ロシア研究の代弁者になってしまっていて真のロシア研究がなされていないように思う・・・対露脅威論はまだ根強いと思うのに、北海道産国会議員しかロシアに入れあげてないのもどうかと思う。

リベラル系議員などは何かって言うと、ヨーロッパだ、北欧だと社会思想の先進国だとあやかっているが、その欧州各国にとって変わらない仮想敵国がロシアだということを抜きに論じていて、歯痒いばかりなのが現状です。

軍事研究の成果が、外資獲得の原資になるとして世界の火薬庫である中東でロシアが今以上に肩をいからせるようなことになれば、イスラエルやサウジ、イランなどの思惑と相まってカオスが再来するでしょう・・・実際、シリアはロシアの独り勝ちのようなもんだし、イスラミック・ステートを破り、トルコと軍事協力するなど万端の態勢でいるんですから、アメリカが米中対立とイラン対策に翻弄される間隙を、またロシアが衝くことは可能な状況です。もちろん、賞突破する力はないから、さしずめアメリカの退いていくアフガニスタンでの暗躍ですかね・・・中国は手を付けられなさそうだし・・・。

 

「ノビチョク」の脅威そのものは、欧州各国にぶち当てられています。

ロシアの勝手気ままにさせまいとEUからイギリスから圧力がかけられれば掛けられるほど、こうしたテロ行為が、ロシアによって引き起こされる。国際的孤立を宥和に向けられないプーチン政権では致し方ないことでしょう・・・下手に、クリミア平和合意なんて言い出したら政権基盤がいともたやすく崩れるんでしょうね・・・そういう脆弱さをも持っている強硬さなのかどうかは、ロシア研究者ではないのでわかりません、憶測です。

そう見える、というのが本当かどうかが決壊のときまでわからないのが、ロシアという国です。

日露戦争と第一次世界大戦という2つの戦争を行った帝政が簡単に赤化してみたり、対米宥和、国際協調の情報開示をしたらソビエト崩壊にすぐなるんですから、わかったもんじゃあないです。

ただ言えるのは、もう死に体に近くてもニコライ2世もブレジネフ体制もかなりの年数は耐えられたってことで、プーチン終身大統領(ロシア人の平均寿命からそう言えるらしい)は、きっと保つんだろうなってことくらいですね。

 

「ノビチョク」そのものの毒性について、ほとんど言及しなかったけど、正直、化学式見てもわけわからんかっただけです。

このところ、平和でほのぼのネタが多かったので、ちょっと怖気の走る記事にしてみました。

 

 

 

ではでは^^メイ吉でした(´・ω・‘)ノ チャオ♪