日本唯一の地下鉄の踏切 上野検車区ごゆるり訪問 | 舟水の世界ごゆるり街歩き

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               NHK教育番組「たんけんぼくのまち」で強烈な刺激を受け、小学校の頃から地理大好き人間。日々の散策からちょっとした世の中の宝箱を覗いて見ませんか?

東京メトロの歴史は長く、1927年上野~浅草間に開業した現在の銀座線が日本の地下鉄の始まりとなっています。日本の鉄道は新橋~横浜。地下鉄は上野~浅草と覚えておけば、東京で鉄道を利用する際に深みが出るというものです。当時、最新の鉄道建設技術を使って作られた地下鉄ですが、その区間が上野と浅草だったということは、それだけその場所が繫栄していた場所だったという証でもあります。上野と浅草は言わば当時からそれぞれがターミナル駅でした。その両方を結ぶ地下鉄として開業した上野~浅草線(銀座線)なのです。

 

地下鉄を開業させるに当たっては、当然、地下鉄の車両保管場所が必要になります。つまり、上野には90年以上前に設けられた上野~浅草線の地下鉄車両の保管場所が存在しているのです。それが現在の上野検車区の場所になります。開業時は車両の保管場所として使用されていましたが、現在は、検車区として車両の検査を行う場所として活用されています。

 

当然検車区は地上にある為、車両は地下から出て来なければなりません。そして、車両が地上に出てくるちょうどその場所が生活道路となっているため、踏切が設けられているという特殊な環境にあるのが、この上野車検区なのです。そんな上野車検区をごゆるり訪問です。

 

(2016年9月撮影)

こちらが、上野検車区の建物になります。よく見ると建物の下に踏切が見えます。ぱっと見、これはどういう状況?となるかもしれません。

 

 

上野検車区の場所です。

 

 

 

上野駅からも近いことがよく分かります。上野駅の横には岩倉高校が確認できます。岩倉高校は通称:ガンクラと呼ばれ、進路を鉄道マンに特化した高校として有名です。将来、JR・東京メトロ・大手私鉄の運転士になりたければ、岩倉高校に入学すればいいでしょう。他にも豊島区の辺りに昭和鉄道学園というのがあったと思います。

 

この地図をよく見ると検車区の南側には、技術区総合事務所というのがあります。つまり、東京メトロが管轄するこのエリアの土地の形状はかなり細長いのです。ここでひとつ思いつきました。恐らくですが、元々は、地下鉄の土地としては細長い形状で生活道路による区切りなどは無かったのだと思います。そこを街の再開発で、碁盤目状の形状に道路を巡らせるため、東京メトロの土地を分断するような感じで、生活道路を通した。そういうことだと思います。そうしないとこういった不自然な踏切は絶対発生しないはずです。その生活道路が、地下鉄のトンネルの出口前になってしまった為に、後付けで地上踏切を設けなければならなくなったはずです。

 

 

 

(2016年9月撮影)

建物前には踏切注意の標識があります。

 

(2016年9月撮影)

その踏切前です。東京メトロの土地だったところにこのように道路を通された為、土地が右と左に分断状態になったのだと思われます。そして、その道路の左手が地下鉄の地上出口だった為、ここに道路建設と同時に踏切が生まれることになったものと思われます。

 

この踏切は特殊な構造になっており、動きは以下のようになっています。

①列車は踏切前で一時停止します 

②踏切の警報音が鳴ります 

③遮断機が下ります 

④ギロチンのように線路上のゲートが上に引き上げられていきます 

⑤列車が通過します 

⑥ギロチンゲートが下ります 

⑦遮断機が上がります

 

(2016年9月撮影)

なんだかんだで特殊感が伝わってきます。

 

(2016年9月撮影)

地下鉄の出入り口です。銀座線踏切と書かれています。

 

(2016年9月撮影)

踏切には、あぶない  高圧通電中危険 の文字が大きく描かれていて物々しい雰囲気がありますが、それにはちゃんと意味があるのです。この写真をよーく見ると線路の右側に太い鉄骨のようなものがずっと伸びていると思います。これは線路と並行している第三軌条と呼ばれるもので、給電用のレールなのです。つまり、ここに触れると高圧電流に感電する危険大です(笑) この給電用のレールに台車に取り付けられている集電靴(コレクターシュー)を擦って電気を取り入れています。

 

イメージが湧かないと思うので、集電靴(コレクターシュー)の写真です ↓

この赤い部分を給電用レールに擦りつけて電気を取り入れ、電車が動くシステムです。簡単に言えば、パンタグラフと同じです。パンタグラフは電線から取り入れるシステムで、パンタグラフの方が一般的なイメージだとは思います。

 

ちなみに、東京メトロで集電靴による給電システムが採用されているのは銀座線と丸の内線のみです。

■仮にも、銀座線と丸の内線で線路内に人が落ちて、助けようとして線路に降りるようなことをするのであれば、この給電用レールなどには絶対に触れないようにしなければなりません。(まあ、そんな冷静な判断出来る人など鉄道関係者と鉄オタくらいだと思いますが・・・)

また、銀座線と丸の内線が他社私鉄に相互直通運転が出来ない理由は、この給電システムが異なる為なのです。つまり、パンタグラフに変えない限り、銀座線や丸の内線は永遠に他社私鉄との直通運転は実現しないということです。

 

 

(2016年9月撮影)

こちらは建物側のゲートです。建物の1階が吹き抜けのトンネルとなっています。

 

(2016年9月撮影)

遠くから見るとこんな感じです。ここを列車が通過するなんて一瞬、思えません。

 

(2016年9月撮影)

ゲートの奥の敷地に銀座線の車両が見え隠れしています。

 

(2016年9月撮影)

1000系の銀座線独特の車両が待機中です。銀座線を利用したことがある人であれば分かるかもしれませんが、銀座線の車両は大きさが小さめなので、窮屈感を感じた方もいるのではないでしょうか。90年以上前に開業した区間が残る程歴史のある銀座線。トンネルの径が他の路線より狭いという箇所がある為、用いる車両の幅を狭めにしなければならないのです。また、車両の長さも短めになっているという特徴を持ちます。その為、銀座線の車両にワイド感が出るのはトンネル工事で径を広げない限り、あり得ないのです。

 

 

以上、日本唯一の地下鉄の踏切 上野検車区ごゆるり訪問 でした。

 

 

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