前回の狭山が池で柳瀬川水系を最上流部までさかのぼったわけですが、まだ途中の支流・東川が残っていたのです。
東川の流れはこれまでと違って狭山丘陵の北側から出ています。
その第1弾・神明神社です。
■神明神社・・・埼玉県所沢市牛沼410
以前ご紹介した城山神社は柳瀬川と東川の分岐点にありました。
東川を遡上すると北岸に神明神社があります。
茶色の部分は河岸段丘による高台です。ここの高低差ははるか昔に古多摩川が作り出したもので、東川は古多摩川の残され川です。
東川はこんな感じで、かつては用水として整備されました。
かつての船着き場と思しき場所もありました。
東川を背にして神明神社のある森を見ています。河岸段丘がならされて緩やかな坂になっています。
南向きの鳥居です。
当然、前の道は東川へとつながっています。
読めない…
鳥居をくぐりますと
石灯篭
日月なのかな?
反対側の石灯篭
これも日月かな?
進みます
立派な石垣に氏子の名前でしょうか。
境内
千木は内削(女神)、鰹木は7本(男神)。
境内の右手に何やら
寄付金を出した有徳者の名前でした。越坂という姓が多いです。地形に由来するものだと思います。
拝殿
いかにも氷川系です。
由緒書が劣化して読めない…
ここは上流の所沢神明社からの分祀で、ご本尊は石棒(縄文かっ!)。祭神は天照。
でもどう見ても氷川系ですし、千木と鰹木から男女両方の祭神と見られるので、祀られているのはスサノオとクシナダ姫なんじゃない?
賽銭箱の正面には大幡主の三つ巴。
もうクシナダ姫で決まりでしょ!
こちらは拝殿に向かって右手の摂社2つ
秋葉神社(金山彦)と
稲荷(伊勢外宮)でした。
拝殿を横から
こちらは本殿。千木は内削(女神)、鰹木は?
木の柵で囲んであるのがなんとも出雲大社、鷲宮神社をほうふつとさせますね。
本殿、拝殿を後方から。
ね! 出雲大社っぽいでしょ?
本殿も千木は内削(女神)なのに鰹木が7本(男神)。
合理的に解釈すると男神と女神が祀られている、それを文句の出ないように統合するために天照を掲げた、ということなんじゃないですか?
ですのでここの祭神はスサノオとクシナダ姫で決まりでしょ!
これは拝殿向かって左手の摂社
八坂神社。やっぱりスサノオいました!
スサノオが摂社で出されているので、本殿に祀られているのは天照という体裁を被ったクシナダ姫でしょう!
境内から1段降りたところに小さな社がありました。
八幡、諏訪、稲荷
これがその神々のお社
八幡、諏訪、稲荷がいつの時代に末社に下ろされたのかにもよると思うのですが…
当初のここの祭神が氷川(スサノオ、クシナダ姫)で、奈良時代以降に近畿政権の影響が強くなり八幡、諏訪、稲荷を中心に祀っていた時代があったけど、「荘園支配が崩壊~武家が相争い家康関東入り」の武家時代のどこかでもともとの氷川に戻したんじゃないだろか、と想像しました。
だけどクシナダ姫は天照として隠されてしまったようです。これまでも何度か書いてきた元寇の影響でしょうか。
摂社の一つで金山彦を祀っていました。関東では金山彦をそのまま出している神社は少ない、と久留米地名研究会・古川清久氏は仰っていました。それは金山彦(娘のクシナダ姫も)が殷氏で半島系だから時節的に隠された時代があった、とのことでした。