前回から続いてます。
どうやら継体の本拠地はこの杷木周辺だったんじゃないか、という話になっていました。
そこで継体が葬られたとされる
■長田大塚古墳・・・〒838-1306 福岡県朝倉市山田
右の赤いピンが長田大塚古墳。
黄色い文字が「三島」地名。
継体が葬られたのは三嶋之藍御陵、
和名抄によると、「筑前国 上座(かむつあさくら)郡 把伎、壬生(にぶ)・広瀬・柞田・長淵・河東(何東)・三嶋」
明治15年全国小字調査によると、大字藍野、藍の澤、藍…といった具合に藍地名がある。
残念ながら「藍」地名はGoogleMapでは見つかりませんでしたが、存在する(した)ことは確実です。
「三島」地名は上記のように確認できました。
では長田大塚古墳へ行ってみましょうか。
まぁごらんのとおりで、現地に何か手がかり的なものはありません。
古墳って表札がある訳ではないので何とも…
登ってみました。
う~ん、何とも…
だいたい古墳ってほぼ何も記述されてないので手掛かりにならないんだよねぇ。
ここで井上悦文氏※1の発表「アマテラス=朝倉」を以下に簡易に書き出します。赤字
現在の「朝倉」表記・発音の時代変化を草書体の誤記・誤読によって説明することが出来る。
まず、アマテラスと命名された土地の表記を「麻氐良須」と表記した。(好字令(713)以前の万葉かな表現)
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当時一般的だった草書表記した際に酷似している「布」と「須」の入れ替わりが起きたため、「麻氐良須」が「麻氐良布」にすり替わった。
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麻氐良布「あまてらす」
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麻氐良「まてら」。地元では「布」を発音しないため表記上も省略された。
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再び草書体の読み間違い・書き間違いにより「麻氐良」(まてら)が「麻久良」(まてら)にすり替わった。
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麻久良「まてら」の発音が「あさくら」へすり替わった。
↓
「あさくら」の表記を朝倉とした。
以上から朝倉=アマテラスで、現在残されている地名では麻氐良布神社があります。確かにアマテラスが祀られています。でも主祭神が伊邪那岐になってたりして、なんか変なんだよね。
周辺の神社を見てもアマテラスを祀っていないんですよ。ということは、アマテラス信仰は入植の初期で寂れてしまった、ということでしょう。
「藍」地名、「三島」地名を辿って、長田大塚古墳が継体陵だろうと推測したということですね、今回は。
※1井上悦文氏
以前にも紹介しましたが、草書体の読み間違い・書き換えに着目し魏志倭人伝に記載されている不明国(コロニー)を特定した論説は素晴らしかったです。ゼッタイ読むべき、てか読め!
書籍「草書体で読む邪馬台国の謎」