「コスタトスカーナ」に乗って三日目、前日22時にドーハの港を出港した船は終日航海をへてオマーンのマスカットという港に向かいます。
その途中、ホルムズ海峡を通過しました。
ちょうど日中だったので部屋のバルコニーからずーっと海を眺めることにしました。
ニュースで話題になる「ホルムズ海峡」ってどんなところか確かめたかったからです。
船室には船の現在地を映すチャンネルがあります。それを見ると現在の船の位置がわかります。
ホルムズ海峡は北にイラン、南にオマーンの飛び地のムサンダム半島に挟まれている。
水深75m - 100m、最も狭いところでの幅は約33km。
イラン本土近傍のゲシュム島やホルムズ島をはじめとして、複数の島が海峡内にある。
ペルシア湾沿岸諸国で産出する石油の重要な搬出路であり、毎日1700万バレルの石油をタンカーが運ぶ。
日本に来るタンカーの全体の8割、年間3400隻がこの海峡を通過する。
船舶の衝突を避けるため幅3kmずつの航行出入レーンが設けられている。
国際海峡であるがオマーン領であるため同ムサンダム半島の先にある小島のレーダーで航行を監視している。
ウィキぺデイアより
ホルムズ海峡の南側はムサンダム半島で、リアス式海岸が続きダイビングのポイントとしても知られている。
※ムサンダム半島
Musandam Travel Guide, Oman | Going The Whole Hoggより
ウィキペディアにある ホルムズ海峡の航行レーンはオマーンにすごく近いところにあります。
船からイラン方面を眺めても何にも見えません。
「ホルムズ海峡の幅は約33キロ。」これはイギリスとフランスの間にあるドーバー海峡が34キロすからそのくらいの幅なんです。
津軽海峡は約18.7kmで北海道から天気が良いと青森が見えますが、30キロは見えませんね。
クルーズ船の近くをタンカーが通ります。
最近「ホルムズ海峡の封鎖」という言葉が使われます。
でも封鎖は出来ないようです。
※分離通航帯の図 ウイキペディアより
ここに自衛隊の方の意見が乗っています。
ホルムズ海峡のように、海峡南側が中立国オマーンの領海となる海峡では、海峡内に安全水路が確保され、敷設国としての義務は確保できる。
ただし、主要な航路である分離通航帯はオマーン領海内となるため、上記の「閉鎖」の措置では、イランにとって実効性はほとんど得られないことが予想される。
このため、イランが意図した「閉鎖」の効果を完全ならしむるためには、オマーン側においても、軍事目標の攻撃、商船の臨検・拿捕又は機雷敷設を行う必要があるが、このいずれの手段もオマーンの主権侵害かつ中立侵犯となるので、違法と言わざるを得ない。
ホルムズ海峡の封鎖について
(コラム137 2019/06/05)海上自衛隊幹部学校 作戦法規研究室 塩川 洋志氏の見解
https://www.mod.go.jp/msdf/navcol/index.html?c=columns&id=137
※オマーンの陸近くをクルーズ船は通ります。
封鎖はされなくても、近くにイランの艦隊がいたら、威圧されますね。
そうしたら、通りたくないですものね。
この石油タンカーの影響を少しでも少なくしようとパイプラインがアブダビからホルムズ海峡を迂回する形で建設されています。
安定的な原油輸出を目的とする陸上パイプライン建設を国家戦略とし、アブダビ政府系の国際石油投資会社(IPIC)が、アブダビ南方のハブシャン油田からインド洋側のフジャイラ港までの約370kmをホルムズ海峡を迂回する形で接続するハブシャン=フジャイラ石油パイプラインを2008年から建設し、2010年12月に試運転を開始した。
輸送能力はUAEの原油生産量の7割に相当する日量150万バレル程度と言われる。
ウイキペディアより
※UAEのハプシャン・フジャイラ石油パイプライン
安全な海の航行が保証されるのは、平和が絶対条件ですね。
バルト海でも、紅海でもクルーズができる日が早く来ますように!
やれやれ
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